電話する ために持ってた はずなのに ネットやメール 専用電話
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獣声 呼吸する我 恐がられ 餌は黙れよ 喰われる弱者奴ら
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いつからか「母さん床屋」来なくなり息子の頭を撫でなくなった
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若薄毛気になっている君だからより丁寧にうなじを剃った
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寝る時は明るくないとダメだった娘が今は豆電球で。
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カメレオン 次があるなら 目立たずに そっと寄り添い 貴方のイロに
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出先にて不意に舞い来る六つの花黒のコートにくっきりと咲く
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雪の上に跡は見えねど山里の霞む梢や春の通ひ路
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何度でも布団をかけるは母の愛知らずに眠る可愛い子
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進展を望んでないし望めないでもおやすみLINEもう見返してる
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考えが考えを呼び考えてしまい体育座りの銅像
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ふゆこもり 木の芽もはるの寒ければ 衣更着きぬさらにきるつきぞなりける
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胸の底しろく冷たい言の葉は春のひかりに灼かれて消える
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まだらぼけ おいなりたべて 「おいしいなぁ」 なんかよかった きょういちにちが
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顔面に覆い被さる墓土はかつちの息苦しさをふと思い出す
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お箸から 転がり落ちる エビフライ 蟻の世界に 花びらが舞う
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自販機が いつも吐き出す 500円 週3くらいで 訪れてほしい
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見にゆきし 緋寒桜の LINEくる ベッドの上から 感謝を返信おく
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晴れ間には軽やかに舞う春の雪海のない街にも凪はある
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蕗の薹薄黄緑うすきみどりの 衣着て 吾を待つかな 如月の空
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丁寧な 仕事の出来は 心打つ 手抜きせぬ技 病棟の朝
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同期会五十余年の時んで「女の子たち」の語らいはつづく
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散る散る桜 川面落つ 輪廻転生 咲き溢れ
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父を乗せ 車椅子押す 喜びよ デートみたいな 親ちかしさ満ちて
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つま先に キミの影がキスをして 見上げ微笑む  ただいま、おかえり
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温かな常緑みどりふところいだかれて鳥は囀る夕暮れの歌
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人の名が肝心なとき出てこない これもしかしてアレなのだろか
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子育てが毎日放つ新しさ 集中したいどんなことにも
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友Aに 言われて気付く Bの良さ こんな仲間に 限りない感謝
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君の頬 ほんのり紅く色付けて グレーな日々も ふたりならカラー
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