松そよぎ眼下に砕ける波頭 肩までじわる熱海の露天
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IDだパスワードだと小賢しい 癇癪おこし卓袱台返す
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はれにして、こころがおしまいはれにして、ぜんぶをすててむかえにもきて
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ひとさしゆびの下にある国にある家にいる中のひとりでしたね
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レシートのアイスクリームの値段見て意外と高くてつい二度見した
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微笑んで平気な顔して悪さして それでも二人なんとか幸せ
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ヨイショって 何をしたかったかというと しばらく間があく
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ヨイショって小さくかけごえかけて立つ 自虐じゃないよ れっつごーだよ
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もとよりも ゆくはてのなき こひのみち かへりもしらず ただゆくばかり
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夏めいて 薄手のシャツに 日傘持ち 電車に乗れば 季節戻って
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留守のに檸檬の若葉ぴゅんぴゅんとみなぎ生命いのちに励まされをり
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平日の昼下がり ホットスナックをかじる日々だけ続いたらいい\ほっとする午後
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春の夜 何故か暑いな もう夏だ
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セキュリティパッチのリリース:ぼくたちは感情演算装置の部品
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雨上がり梅の香りをすりぬけて空を切り裂く一羽のメジロ
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だれコイツ 一軍上がった 初打席 名刺代わりの 一発を打つ
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俺の部屋 君の好みで いいけども このカーテンは なんとかならん
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ごめんねと思いながらもぶつかるよ ドア前動かぬ無能どもめ
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華やいで はかなく散る花を余所よそに 晩春まで咲き誇る紫蘭シラン
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春ってさ桜の色のようでいて真っ白に目をくらませてくる
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人生で唯一つなる愉しみは 病院帰りの松屋牛めし
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忘れてね 抱けない女のことなんてティッシュにくるんでぽいって捨てて
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さみしいの?もしかして小さな棘が心に刺さって抜けなくなった?
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花束を君に贈ったこの手だが今日引鉄ひきがねを初めて引いた
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「へーあんな人格破綻者といるの・・・」友人の写真で消息を知る
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AIが私の言葉覚えてて家族はそんなことなかったのに
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台所 キウイの歌を口ずさみ いつの間にか仲直りした
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あと少し続き見たくて目を閉じるあの夏の日のあの人の夢
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「すずをころがすやうな声」でした、憎いわ鈴蘭の毒
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今どきはヘルパーみんな70代 戦力を問う事は出来ない
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