美しい緑色した宝石の絶え間ない雨、流転の果てまで #折り句百本ノック
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海辺には見たこともない星がある 揺蕩う波間に瑠璃色の闇 #折り句百本ノック
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実家から送られてきたカルピスに永遠に漂うあの日の僕ら
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白昼夢 なかったことだけ考えて罪悪感で死にそうなのよ #折り句百本ノック
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政治家を政治やと読む情けなさ 何のための権力闘争
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ようやっと呂律が回り「意地悪ね」 負け惜しみのよに毒づいただけ #折り句百本ノック
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後れ毛はキャラメルの香り 唇はさくらんぼ味 マイハニー #折り句百本ノック
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ありきたり目くらましでも残像にいくらかばかり口惜しさだけ #折り句百本ノック
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わが帽子打ったひとつのころがって散らばる木の実の中にまぎれる
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めっきりと日向ひなたと日陰の気温差の出てきてとみに秋は深まる <
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一日のうち数分もわたくしに割けないのなら、もはやこれまで
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去るというなら追う程は好きじゃない ここでさよならいたしましょうか
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退勤路 夕日を横目に 涙する 秋刀魚が焼ける 七輪の煙
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ほんとうに好きで煙草を吸っている 誓って惰性などではなくて
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さようなら。今度あなたに会う時は、だるんだるんの部屋着でいいや
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この三日、来たのは詐欺の電話だけ せめて合成音でなければ /人と話した気にもなれたか
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「なんとなく」五文字で片付けたくなるほど 絡まる想いよ伝わってくれ
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朔日の一日きりの雨の日に夏恋いしやと戯言を言う
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赤い糸 細くなったねと 君がいう 交差点に 淡い蜃気楼
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薫風が 鼻を掠めて 拭い去る 波の飛沫しぶきと 無垢なアザレア
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鱗雲 茜の君に 誘われて 剥がれたヒレに 凛として立つ
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聞き間違い ヒヤリハットを 書かされる 言い間違いと 指摘をせずに
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突然に 想い溢れて 号泣した 我を抱きしめる キミは父のやう
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席につきバスの発車を待つ間スマホで読んだパレスチナの記事
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扇風機・エアコンフィルター掃除する 今夏の頑張り労りながら
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採血が怖くて横のポスターを読んでますのでお気になさらず
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ポケットに 忘れろ草を 詰め込んで あなたの胸に 飛び込んだ夜
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夕暮れの風が教えてくれました 金木犀が咲き始めたよ
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朝焼けがみるみるうちに光満ち見つめる我も満ち足りている。
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涸れ果てた向日葵たちの亡骸を弔うようにそよぐ秋風
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