干した服 取りこむ度に 思い出す 記憶の中の あなたがかお
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人間に 心があると いうことを 忘れちまった 現代社会
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耳鳴りで 人の話も 聞けぬまま 人は遠のき 取り残されて
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苺とは草の母なり大きな実ほかの草木も見習ひがんばり
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孤独だらけ上野の朝はカラスだけクロスバイクが経由していく
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ただ一人 小さな者も 救えずに 秘かな願い 叶うだろうか
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この国のガールズ・ブルーを通り過ぎて高輪エリアをいざ仰ぎ見よ
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幸せと 思っていれば 幸せで 嘆いてみても 何も変わらぬ
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寒空に 一人野原に 佇めば 生きているのか 死んでいるのか
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ならず者 権威を帯びて 集まれば 犠牲者の数 累々として
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そうか、君はそういう奴だったんだな 13時間前に送信
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ここかしこ 悪の支配の あるところ あまたのルール ご都合により
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悪人は 素知らぬ顔で 悪を為す 弱者を痛め 支配を好む
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この寒さ夜食に頂くこの苺 育てる経費を頭をよぎる
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子供らを 抑圧しても 大人らの 都合よろしく 偽善で飾る
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人間の 感覚過ぎて 虐待を 見過ごしにする 大人な知識
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内線がコール五回で鳴り止んだもっと粘れよせめてあと二回
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国・政治・言語に分けられた僕らは拒否して惑ってそして愛して
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寒さから目覚めた今も床を出ぬ生活保護の意味ある節制
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やる事が 終わらぬうちに また別の 優先順位が 割り込んで来る
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自転車を漕ぐ間に昇る朝の陽の熱に溶けゆく真白き吐息
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なっぱ電車に母は乗ってた昭和には指切りをしたような気がする
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智恵子さん奥の細道読みながらほんとの曽良が見たいと泣いた
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たぶん夢とか希望とか詰めたはず 缶切りはきのう捨てたんだけど
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新雪に足跡二つ三つと付き 寒波の朝はそろりと始まる
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象徴となる君ささへひのもとのゆふすげとなる人うつくしき
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知人から鯉の甘露煮いただけど リアルな鱗に食指ためらう
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南総の犬伝説の山登り 湾越しに見ゆ出来過ぎの富士
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むめ一輪 確かに咲いたよ菅原さん 太宰府異動で拗ねちゃだめだよ
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ちょい多い十二時間の降り様よまあしかたない朝の飯前
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