歯の痛いナイチンゲールのごとくけ、悪意・嘲笑・快楽の聲
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朝焼けに溶け出す叫びとこの涙いつか誰かの言葉におなり
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シュニトケもヒンデミットもオネゲルもないプレイリストを見ている
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止まないかもしれない雨の一種である抑うつリアリズム仮説が降る
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乱れた世救世の徒が現れて 桜の小学校清められたり
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快速の窓を駆け抜ける木の電信柱よ 父を知っているかい
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上がらない雨はないって言うけどさ、生存バイアス終わってないもんはさ、確かめようが無くない?、そういうことでしょ
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向かい風 負けるものかと 仁王立ち ふと振り向けば 追い風が吹く
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最初から「止めておけば」と繰り返し言っていたけど それ見たことか
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迷信jinxも貫きたれば教理dogmaなり よんはいらぬぞきたる卯月よ
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国も民もなけれどおれは王として立つと同時にそのように在る
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菜種梅雨夜の外出迷いける 隣の施設入るに乱れつ
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お月さま、白粉おしろいぬってさしあげる。クマがひどいわ、夜更かし駄目メッよ。
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はっきり聞こえた。メトロの車内で、喧騒の向こう側から。「ブシモ♪」
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「この国では成人だから」細い指で長耳エルフは毒をって咳きこむ
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いよかんは いよんなのか いかんか 議論してたら別れ話に
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ジャガイモを半分にして灰付けて 子供等喜々して種植え付ける
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断薬と燔祭 catarrhカタル はらのないせい 青いザクロ裂いた 冥界
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きっと君は今頃私を忘れてるその唇も他の誰かに
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何層も何層も重ね合わす夜羽衣みたいに薄くて脆い
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構わずにとりさえずっているのですパンデミックの朝が来たのに
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幾重にも私を包むオブラート、君の胃液で溶けて、おしまい
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中国のコロナと北のミサイルと 凸凹コンビが世界をめざす
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あからひく興行/叩打 十畳にストリンジェンドする前臼歯
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快速がゴォオと走り最初の日見上げた夜をぼくは忘れない
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何よりも 春が来るのを 待っていた 菜の花運ぶ 芳しき風
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百日のメメントモリは今醒めてcapitalismのお出ましとなる
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母だから 女だからとむしられて かえりみられぬ彼女の桜
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決めつけの激しいそういう気性タチだから花占いもツツジをちぎる
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尊重とケアと配慮と承認と敬意 誰もがここに居て良い
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