あと幾度 年を越せるかと 澄む夜空 家族と見上げる 冬月の夜
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怖ろしき 妻と喧嘩を したあとは 仲直りして ぐっすり眠る
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雪積もり 失業手当 もらうため 歩いて向かう 白い職安
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氷りゐし筧の水の音づれて柴の庵も春めきにけり
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谷川の氷も解けぬ山里に霞ぞ春を空に知らする
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レイソル市 きょうのどうろは シャーベット 脳内音楽 真室川音頭(はなのやまーがーたー♪)
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梅が香を送る春風しるべせよ尋ねやゆかむ鶯の谷
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世の中は基本こういうものですね雪かき道にまた雪の降る
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雪かきのあと黒々と続く道 成果の見える仕事は嬉し
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災害は三年前の夏の夜 前で崩れた山忘れられず
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付け焼き刃 シャベル片手に腰さすり 雪国知った気になるなんて
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ケーキ持ち友の来訪手作りの ランチにデザートお話添えて
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体には運動必要老いたれば 動かしている肩甲骨を
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雪ながら涙の氷解けぬらしふる巣を出づる鶯の声
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香久山に登りて見れば天の原霞むもしるく春は来にけり
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毎日を丁寧に暮らすその意味を 未だ分からず普通に暮らす
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電車道 白く覆われ 朝出かけ 走りは牛歩 遅れやむなし
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都心まちの雪 一夜明ければ 氷化こおりかし 往く道阻み 悪しきとならん
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能登の地はもっと寒かろつらかろう 長き氷柱に疲れの映る
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乱舞する雪の積もりし紅梅の ももいろ消して風すさびなく
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子が起きる前の静けさありがたし 焦らずルーチンワークに励む
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けふ立春、その語の響きに思ひ立ち強く雪掻きアスファルト探す
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難しい馬鹿になるのは それ故に中途半端な男でござる
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用もないのに暗闇に浮かぶコンビニに釣られる蛾だなわたしは
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せんよめど きもちとどまる ことはなし きょうかんすれど かこのたいけん
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えも言わずエモの獲物に君さえも えも成りやれず我描けぬ絵も
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積もる雪さながら積もる我が不安 踏めばべちゃりと靴底に染み
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なんだっけ雪と椿を詠んでいた 短歌が思い出せない短歌
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僕のこと知ってる人から逃げて、逃げて、いつか人類みんな知り合い
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明日病院そして免許の更新と贅沢だけどタクシー使う
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