呼んでいるお盆休暇の第二幕 勤怠理由に流れ星捕獲
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友以上 無理だ諦め 促され メールを断つか 悩み数日
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散歩道イヤホンで聴く楽曲の曲間ノイズ蝉の鳴き声
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晴天に霹靂へきれきを聞く創生の如く湧き立つ白雲の先
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すやすやと眠る顔みて一安心あの子の人生千秋楽
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半年が 過ぎし再び そろい踏み 三人笑顔 夏の広場で
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18時半ろくじはん段々日暮が近くなるツクツクボーシと挽歌を歌う
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耳の奥底に雷鳴響いたら命を守る毛布を持って
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ガラス瓶一輪挿しに返り咲く猫住む窓を不等価交換
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悪夢こそ希望めいててバカみたい まだやれんのかエンジョイ地獄
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辞めろ辞めないの不毛議論 不快指数はとっくに100パーセント超え
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傾国けいこくの、では足りぬ君が現れて地軸かたむき季節がめぐる
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あじしめて北海道にもやってくる どんな屁理屈平気でこねて
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大使館「狸穴まみあな」こそが相応しき 裏切りの国不潔なる国
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「宝石は光の住処すみか」と笑うきみ、光のきもちが僕にもわかる
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晩年に神が与えたこの光 苦行か罰かご褒美か
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玉ねぎを炒める時は鼻水と涙は我慢しなくてもいい
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ココアの本君に勧めたその訳はあのラブレターは私の心
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棚の奥3年前の処方箋見つけてかつての苦しみ想う
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帰り道 おしろい花は夕化粧 誰を待つのか 虫の声する
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ゴルゴさえM16では斃せまい あの憎々しきバーコード頭を
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私と彼の間にあるのは距離なんかぢゃない もっと素晴らしい何かなのです
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ちょっとイメチェン、メガネ装着 レンズ越しでもあなたはキレイ
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試着室鏡に自分を映しては取り替える服我はそのまま
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あなたを思い続けて早や二年 乙女よ大志を抱け!
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好きだからダメにめげない叶えたい 飛躍の瞬間 感じたいから
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水中の ゆらめくタイルと自分の足を 眺めてぼんやり銭湯は良い
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背の低い姉、父に似て威厳はあり されど優しさ父以上
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チョコミントアイスが溶ける帰り道自分も溶けるアスファルトの上
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理不尽で不条理な国かのロシア 一度は倒せし我ら益荒男
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