君宛の 言葉の雨を 溜め流す 滲む透明 捲れる価値と
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真夜中に恐竜が出て目を覚ます保線工事でビリビリ揺れて
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ダビスタは レースシーンが とばせない レースシーンは 別のことする
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疾く疾くと注ぐ 極々苦い夜 刻々徒労 泥如く寝る
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対象a 手に入らない理想郷 巡り続ける窓だらけの檻
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人の心はどこにもない ハートにも脳にも ましてや言葉の中など
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秋の月 月に帰った かぐや姫 いま会いに行く ロケットに乗り
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子どもらと ちびっ子プールの 水面の 波紋を見てる 小雨降る秋
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やらかしを SNSの ネタにする たまご落として まず写真撮る
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3回も 死にかけたけど とどまった 生かされた理由(わけ) 考えるべき?
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葉落ちて オータム フォールか もう飽き秋
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浴室の壁に磁石がつくと知るニトリへ急ぐ物干し難民
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空っぽの部屋で見つむる 朝までは同じ世界に生きており母
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花ひとつ携へてゆく応へてはくれない母の聲が聴きたく
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最初から できることなど なにもない 練習すれば なんとかなるさ
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足跡を X回目に 辿る時 隣の跡は 消えてるのかな
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二回目に 砂の足跡 辿る時 私のだけは 更新されて
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相対し歪みか否かと形成す思考の自発は死にたいだった
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授業中、隣で寝てて欲しい あなたの安らぎが心地いいから
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ちま猫ちゃんの だんぼーるかくれがだけど かしたげる おねーたん こうたいで なかよくつかおう
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名を呼ばれ 嬉しく胸が 熱くなる 貴女と一緒に 仕事をした日々
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階下よりふくよかな香のただよひきて無花果を煮る妻の顔うかぶ
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漸くに涼しい九月だけれどももう月末でしかも夏日で
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この時期のスポーツ面の片隅の戦力外はこの世の定め
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月末が有効期限のクーポンを手に徘徊すドラッグストアを
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青春とつぶやきたいけどほほのニキビ気にしてるだろうからスルーする
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止まらない 人生特急 どこまでも 行くはずもなく 終着駅へ
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頑なに 信念持って 指導する 先輩たちに 関わらぬよう
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失敗は 謝る以外 仕方なし 赦されるまで 謝り続け
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一筋ひとすじの飛行機雲のふやけつつ次第しだいびる夕映えの色
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