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投稿数
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赤ん坊よりも不安で泣いている トイレの紙に吸わせて流す
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曇天で頭が痛いおお痛い 晴れても晴れず ただ老いたるや
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牛乳は 私の生活を見ていて 一番困る時に底つく
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夕空に伸びた木の影 がしゃどくろ ゆらりゆらりと手招いている
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外が暗い もう暗いよと騒ぐ子ら 日がない冬も楽しげな子ら
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寒いのは 何も済ませず眠る夜 床は冷たい 脈だけがはやい
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こんこんと 母の空咳が苦しい 私の不孝を責め立てるから
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頭痛薬 効かぬ痛みは幻の痛み きっとこの頭は空
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私は字が書けるし葉書は出さないが 今日はバツの日 小さなバツの日
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眠れぬ夜 閉ざす瞼は二枚貝 砂の代わりに吐き出す涙
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生命の少ない水は 深く遠くまで水色 宇宙も同じ
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本の表紙は 恥ずかしくて隠したい 己の無知をひけらかすのが
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月光も星の光も美しいだけ 読書には弱すぎる灯よ
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晴れの日は眠る 曇りの日も眠る 雨でも眠る 夜半に覚める
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無私は無思慮 ただ風に揺れる葦 枯れるに任せ土に帰す葦
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疾く疾くと注ぐ 極々苦い夜 刻々徒労 泥如く寝る
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対象a 手に入らない理想郷 巡り続ける窓だらけの檻
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人の心はどこにもない ハートにも脳にも ましてや言葉の中など
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