薫風が 鼻を掠めて 拭い去る 波の飛沫しぶきと 無垢なアザレア
8
鱗雲 茜の君に 誘われて 剥がれたヒレに 凛として立つ
8
聞き間違い ヒヤリハットを 書かされる 言い間違いと 指摘をせずに
15
突然に 想い溢れて 号泣した 我を抱きしめる キミは父のやう
24
席につきバスの発車を待つ間スマホで読んだパレスチナの記事
11
扇風機・エアコンフィルター掃除する 今夏の頑張り労りながら
31
採血が怖くて横のポスターを読んでますのでお気になさらず
13
ポケットに 忘れろ草を 詰め込んで あなたの胸に 飛び込んだ夜
10
夕暮れの風が教えてくれました 金木犀が咲き始めたよ
40
朝焼けがみるみるうちに光満ち見つめる我も満ち足りている。
12
涸れ果てた向日葵たちの亡骸を弔うようにそよぐ秋風
23
灰色の 空から落ちた黄色い実 ぎんなん丸い もうすぐ満月
18
エバミール切れて眠れない夜に朧の月を薄く見ている
8
神無月朔日つひたちを 迎へる筈の秋虫の唄 雨天で中止
26
慌し 朝の支度を 整えて 送りて気付く 都民の日とは
17
澱とけて母の声なき声きこゆ ひとり詠みつつおもひぐるぐる / 壁打ちの続きです
16
壁に打つ玉のごとくに歌を詠む 澱とけるまで返し続けん / Utakata有難い!
15
死者の声また蘇る午後1時針を落とすよロックのレコード
11
いつかこの秋を忘れる 喪失と身軽さだけでここにいたことを
11
おつかいの 駄賃で買った 果汁グミ 半分残して 大股で帰る
9
夕焼けがこんなにひどい色なのに部屋はふかく藍色に沈む
9
何がため政治家になりしそこの君 理念 信念 有や無しや
7
政治家の言葉はもはや力無し 選挙前の噓三昧
5
眠れない起きてしまおか粘ろうかどっちが良いのか未だわからん
11
気まずさが残った部屋で対峙する私の醜さ君の勝手さ
12
帰り道 秋の夕焼け 美しく 疲れた体 少し軽やか
31
午前中 ぽかぽか陽気の 良い天気 お布団干したら 土砂降りの雨
9
内定の新入社員の自己紹介 愕然とする、この娘孫かも
21
暗闇を探す私を見つけては背中を向けるあなたが嫌い
4
「また今度」のしがらみのない約束が叶わないまま抜け殻を残す
9