初物のカボチャを抱え夫へ請ういつも通りの半切作業
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カップルが 2人並んで 歩く間を 突っ切るあたし ハハハ…虚しい
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心地よく 体を揺らす ひとときが 叶わざりて 過ぎ去りし日
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もう嫌だ何もできないしたくない全てを酒に混ぜこんで呑む
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冷房の効いてる部屋から見る球児流れる汗に後ろめたくも
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スパワールド出たとこで こねこの声がした ちま猫ちゃんの声に似ていた
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独りよがりに眩くて暑いからそれより私を見てなよ向日葵
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チーズ食むひとときパリのアナトールわが自尊心ゆき惑へるに
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街中のカップル達は手を繋ぎ暑さなんかも気にしないだろう
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落ちていくとこを上手に見ていてね。いつも通りで、そう、大丈夫。
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酸欠の頭にCOふたつ 満たして溶かして土に還して
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切なさは誰のもとへも行かないで 私のためにだけ咲く花であれ
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折り鶴を折れぬまま戦後八十年に立つ我は空っぽの手をただ抱えおり
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群衆を避けつつ進む通勤路君ほど背筋の伸びた人はいない
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寂しさをあの日に恋と呼んでいた シーツに包まる微睡みに似て
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寂しさよ、通ひ路とざせ業の船 孤独の地獄行きつ戻りつつ
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四時起床寝不足になりぼやけてる早寝早起きは三文の損
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毎日の酷暑に気象予報士が頭を下げるあなたのせいでは
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猫が顔 がっつり洗う あした雨? 朝からチャリで お出かけなのに
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レクイエム 転調ジャンキー 長調へ 丑三つ時にはワルツが流れて
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天国より越え来し小鳥軽やかに虹の彩り縷々と響かす
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室内で 滴る汗を 拭いつつ 探し物する すぐに撤収
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短歌結社二の足を踏むその訳は連想させるショッカーの組織
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学生の 思春期のうた 微笑まし 若き翼に 託すutakata
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あたくしの左手をケンタッキーのように持ちつつ愛でてくる奴
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玄関の日々草にちにちそうの白さやか呼び込む風の秋のひとさじ
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誰かのね小さな小さなひと言が 世界を変えることだってある
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見はるかす山々のに雲の峰 いまだ堂々季節堰き止め
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悪意ってある意味ウイルスなんじゃない? 絶滅ワクチン開発しようよ
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うごめきを照らす光はただそこに在って光を照射するだけ
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