炎天の 道にしずけさ 積もりゆき うつろの中に 光だけあり
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ぴりぴりと唇の荒れ舐めとりて乾いた風吹く冬の訪れ
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仕事先返事の早さはいいけれどもうパソコンは閉まっちまったよ
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短歌見てそのままラジオ体操を頭と身体さわやかな朝
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感情の糸 手繰るその先 心の螺旋回廊 
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乗り合いの 同じ時代の 列車にて それぞれの駅 途中下車する
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ちょんちょんと若い緑が跳ねるのを踏まないようにゆっくり歩く
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米と聞き死語が立ち来る早苗饗さなぶりに刈り上げ餅と土洗い祝
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朝早く馬耕に代掻き日暮れまで馬の尻追う来る日もくる日も 
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米と言えば七十年前が蘇る泥にまみれし米づくりの日々
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片恋は 真白に燃える あの夏に 見上げた雲に 重なるように/r
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米身ぢか主食に酒と味噌󠄀醤油子等が喜ぶ霰餅あられに煎餅せんべい
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カルダモンスコーン焼いたよラタトゥイユお米も炊いたよ 向かいは空席
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憧れた君が変わってしまったと失言重ね吐かれたため息
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付き合いの長いきみには見せている成分無調整のわたしを
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寂れゆく蝉の合唱コンサート 鈴虫たちにタクト繋いで
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生き遅れ 力いっぱい 鳴く蝉に 何故か涙す 生き遅れの夏
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まあ慣れてるから当たり前のよに 直筆されたものは持ってるよ
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小雀や 鳩たちとともに 陽射し避け パッと飛び立つ 邪魔してごめんね
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誕生日子どもにとっては年取る日母にとっては母になった日
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花瓶からAI ダリアが美しい会社サボって満開リモート
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擦り傷に水が染みても絶対にお風呂に入る生きているから
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人はみな一円に笑い一円に泣く人生古い一円供養する
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食事会約束の時間に遅れ来て先に箸取り皆がガン見す
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約束は絶対守ると君言った留守電響き苦い雨に立ちつくす
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アウトバーン百五十キロで追い越され日本にあれば遅刻減るのになぁ
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天国で しっぽ振りつつ 笑う君 今日も散歩か ご飯はうまいか
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天国と地上の間にある階段願いを込めれば光が架かる
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霧深く天国への階消えかかる それでも登りつつ扉開かれん
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二万円給付の話はもう辞めた石破語録には約束は破るもの
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