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「押すなよ」と言えば押されるこの国はアリスの国を超える不思議さ
8
マンションの三階までも階段を登った花びら廊下に散らばる
13
白熱の逃げたい心捩じ伏せて由伸に点け二つ目の星
8
悪夢みた うちにはねこはいるけれど 獏も飼いたくなる朝がある
28
花開く月下美人を袖にして誰をか思ふ互ひの瞳に
8
今日だけのまじないだから書いとこか虫除け札は逆さまにして/卯月八日に
19
シャーロット いつも会う
場所
(
ところ
)
横断歩道上
(
おうだんほどう
)
君も私も 同じルーティン /犬です
20
めぐろの川 花筏みちて そよぐ東風 三々五々に 天の川へと
14
夜明け前 日の出を急かすかのように イソヒヨドリの笛の音響く
12
ファスナーで夢をこぼさぬようにして 眠るチケット起きて時間よ
10
桜花なり 僅か十七逝きし友
存え
(
ながら
)
し身は恥の多くて
16
※ 花祭り
(
)
雲はゆっくり 離れ行く 朝の冷たさ 良き日の証 ※お釈迦様の誕生日
18
口語歌と 文語の歌と 一目見て 「位相語」の如く 違う語彙の差
15
「見せ消ち」を 読むは楽しも 定家書写 御物本なる 『更級日記』 /影印本
12
白妙の 懐紙に赤き 跡とどめ 唇を押す 指を反らせて
13
さみどりの 紡錘形の 莢の内 黒き実放つ 天竺の香(こう) /カルダモン原産地天竺
14
東京に負けた気がした帰り道何に負けたかわからないけど
16
「五分間」閉じ込めようか永遠にそう願うのは僕だけだった
15
夏来たる ぐんぐん伸びる たけのこや 季節彩る たけのこご飯 母の味 ほくほく匂い 笑み溢れ
6
一夜明け 明るい陽射し 降り注ぐ 雲ひとつない
灌仏
(
かんぶつ
)
会
(
え
)
の日
26
2
時間余の眠りにて飛んでイスタンブール目覚めれば晴天あさひ眩し
15
雨間
(
あまあゐ
)
の車道をば 通過す車 散りぬ
桜花
(
おうか
)
を 振り払はぬまま
30
新しき出会い求めて 目の前の扉開け 君は今飛び立たん /入学式の孫へ
17
まんじゅうがこわいギッシリ餡つつみ賞味期限がやたらと長い
12
クレームを言わない親が割を食う春の嵐が吹くクラス替え
17
後ろ髪 引かるる思ひ 花吹雪 田舎の町を
サクラ
(
)
色に染む
8
卯月せば 冷たい朝に 遠々し 入学の日の 娘を
懐
(
おも
)
う
8
昼下がり幼稚園児の足音に揺れて応えるチューリップの赤
13
サイゼリヤ鶏のステーキ消え去りて残り香舞いちる花時の昼
31
宵闇の月下の花は色褪せぬ 影も見ぬままただ散るを待つ
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