Utakata
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佐堂織人
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夏空が染みた茄子漬け照る夜長
涼
(
りょう
)
くいつくし明日は霜立つ
13
露かかる網もて秋色引っ掛けて山辺に蜘蛛の紅葉狩りあり
14
香水ができると君は言ってたね金木犀手に遠き日香る
12
夏空の残滓を食めば秋深し在庫限りのナス漬けが照る
11
子供らと過ぎ行く暑さ見送って帽子は眠る秋雨の中
8
ふるさとを離れて気づくかの地にも匂いありしとホーム踏み出す
7
チョコレート 握った手の中溶けないで 十四日の頬 手をあて帰り道
7
おしゃれして知ってる君が遠くなるもう時間だね 似合ってるよ
12
背伸びして隣を歩く君近く グラつくカカトで仕掛ける5センチ
7
これあげる 君の手の中揺れていた 萎れた色を しあわせと名づく
5
田の神が端切れさらうか山錦 蜻蛉あかあか金衣に散らせて
6
土と垢拒む人々行き交えど風に染みしか獣臭いて
6
山なしの土地と言えども月影は硝子と画面の眩さに見ゆ
5
荒れ心甘いクリームすり込んでいつか笑って食べられたら、ね
4
かの歌人享年近き我にして歌詠みの寿命数え始める
7
わし掴み好きよと毟りたいけれど あえてつまんで問う好き嫌い / 花占い
8
年経ても二階に干さる布団見て 父母かくしゃくと緩む子心
14
紅と白 地に脱ぎ捨てる百日紅 サマードレスも衣替えかな
15
年経ても噛んだ記憶は苦々し 久しき盆に鬼灯が鳴る
11
青紅葉 雨滴をはじき水遊び 柔らかな手は
嬰児
(
みどりご
)
のごと
5
今詠え たとえ名歌とならずとも 忘れたくない
瞬間
(
とき
)
があるなら
23
疲れ果て雨中に眠る古帽子 子どもと夏は見送れたのか
7
いつ来るの? 頑張り要らぬ日 それまでは 頑張らなくちゃ頑張らなくちゃ
7
雷神も雨忘るらし暑さにて氷菓共にし更ける夜あり
8
雷神と蝉の動くは朝と夕 夏の時雨は昼には降らぬ
7
いつの日か積み上げしもの弾けても次な種成せフウセンカズラ
8
幼子が目に焼き付けし色花火 遠き音来て瞼に咲かせ
10
会議でさ いいこと言った
娘
(
こ
)
がいたな いやうちの部署って男だけだろ / 日常の怪
9
コンクリに打ち水散れば甘露なり 蝶集いてはいのち吸う午後
11
うちのチャリ盗まれてもまた戻るんだ あ、ほらニュースに。事故ったんだね / 日常の怪
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