Utakata
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佐堂織人
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朝食に欲するスープとろみ増え冬の訪れかき混ぜる匙
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空を見る人は童心持つという足止められた時は遠くて
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電線に空区切らせて並べれば棒飴のごとねぶりたき青
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見上げては胸さざめいて気づくのさ忘れたくなくても忘れた日の空
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天高く尾を引く飛行機見送ればならぶトラックについ ヨーイ、ドン
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週末に望月の下木犀の香追いかけて金色の夜
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誰もかも角窓を手にのぞいてる目の離せぬ世界もはや現か
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憂鬱に冴えた瞳へ流し込むなぐさめの文字眠剤として
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あやふやな人の不幸を祈りだす 今夜は早く寝ようか私
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一夜でも望まぬ夜を徹させしものみな爆ぜよと隈なぞる朝
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そよ風に無造作に夜かきまわす月船を待つ子猫の尻尾
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若さゆえ離れた土地に分け入れば糸ほつれゆくリクスーの肩
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ふる里のバスすれ違う道向かいチャリかっ飛ばす影の若さよ
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玄関に革靴ならぶ塾帰り待たせる側の世代交代
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コンビニのおでん自分だけもの足りず舌が抱えた里心知る
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いきたくない泣いても怒られ学校へ 話せど無駄を学んだ幼日
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萎れては色濃く染まる花しべを遠き母の口紅とする
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つくつくと法師の読経響く中アイスの棒立て夏を弔う
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カフェを背に学生服が去ってゆく未練重たげに背負ったままで
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燃え尽きて出来ることなら穴ほってすぐ埋まりたい肥料になりたい
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人生は隧道のごと夜が更けるつかれはててランプけすまで
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わずらいて上げし喉頸へ縄かかる 目薬で消ゆたらればのゆめ
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傘閉じて入道雲が過ぎてゆく胸中の子ら追いかけていく
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やれ凌げ傘服麦わら盾として天の熱槍暑気の大戦
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日傘からしたたる熱をぬいつけて蝉のもろ声ふりつもる夏
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通帳のゼロを減らした酒を飲む背中の汗疹にカーテンの後光
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横たわる酒精に溶けた暗闇に伸びっぱなしの髪で時知る
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水銀の示す三十生み出した
季節
(
真夏
)
は電波で感染りゆく今日
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命とは古びて届くブーケトス擦り切れた茎に花言葉見て
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立ち枯れの枝葉に芽吹く翠翅諸声染みて夏かさね着る
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