佐堂織人
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投稿数
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春の泥洗い流すは青葉雨てらてらと初夏葉からしたたり
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オフィスにはコーヒーメーカー無いらしい なら朝一番に置かれてるあれは / 日常の怪
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あの同期なんて名だっけ顔だっけ後輩悩む今年もいるのか / 日常の怪
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元カノが温泉前に「殺す気か」冷たいビンタわからぬと友 / 日常の怪
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まいったな終電逃した全車両喪服の群れに占領されてて / 日常の怪
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休み明けやれ遅刻だと駆け込めば知らぬ廃ビル誰の記憶か / 日常の怪
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無気力は病なのだと言い聞かすいつか治ると信じたいこそ
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手を離し駆けゆく先は花霞灯火のごとランドセル達
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社会人道行く横のユキヤナギ頭下げても花盛りかな
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日の元にいても寒風吹き荒れて痛むささくれ手指に心に
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肉汁も飲める豪語す若人よビールも飲めぬ年が隣に
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すみません つい口にするお呪いそれは違うとわかってるけど
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元気ってどんなのだっけおかしいな疲れたばかり言いたくないのに
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期待値が取り組むたびに下がってもまだ生きてれば成功のはず
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制服の肩離れても追いかける飛梅のごとし蝋梅の香
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うらやまし徹夜の辛苦知らぬ人 身重さに我が拙劣を呑む
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人生はなんとかなると なってたらこんなところで詠ってないさ
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不器用というクッションに包まれて頑張るための道化 吐きそう
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いつの日か休めるのだと駆け続け息も痛くていつまで あ ころぶ
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おっとラストか仕方ない ひと手間かけて今日の徳積む
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物事を進める度にレベルダウン? こんなもんだろ生きてりゃおっけー
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一日の記憶は五分で事足りる たしかに今の心も三十一みそいち
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番鳥のおかげで今年も梅が咲く 花透かしては三つ首の影 / 日常の怪
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相談をぜんぶ愚痴だと流すくせ後からなぜと問う人黙れ
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もう無理と こぼす心を認めてよ 諦めるなで 蓋をしないで
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マチアプで会ったあの子さ、やめとくよ 髪でポテトを摘んでいたし / 日常の怪
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引き戸開けおかえりと声響く土間 うちは独居アパートのはず / 日常の怪
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音消えて 遠くを見なくていい日和 踏み出せぬ靴 雪積もりゆく
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友人が再検査だとぼやいてる 胃カメラが胃に着かなかったと / 日常の怪
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飼い猫の尾が二股になっていた おまえ今年に生まれたのにね / 日常の怪
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