雑巾は 擦り切れるまで 使ったら ポイっと捨てな ゴミ箱の中
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調子よく 呑気でいたら この事態 いやあほんまに わてよう言わんわ
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歳を取り 目耳頭 悪くなり こき使われて 悲しき事態
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金貰う ただそれだけで 言うことを きけと館長 笑って諭す
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藪医者も ないよりましと 諦めて 治らぬ病 なんとかしてよ
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アレルギー 猛暑の中で ぶり返す 洟がダラダラ 気管に漏れる
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雨上がり たまのスカート 穿いてみた 行き先はただ スーパーだけど
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リード紐 アサルトライフル 隣の手 どれを持つためにヒトになったの?
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先週はきみと歌ったスナックのテナントで食う朝のラーメン
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祝日が誕生日よりおめでたくなってしまった二十三歳
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それなりに好きかもしれません 一ヶ月かけてここまで言わせてやった
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薄曇り べつに折れやせぬ いまは進め 合言葉ひとつ「いけいけゴーゴー」>まずは実家へ
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三日目の銘酒の名残りは芒として うれしき時の余韻を刻む
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豆苗の二回目の軸は太いからおかずにしようも少し・・・育てて
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どちらが月かは分からぬけれどだからこんなに満ち足りてる二人/大潮
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恋愛はしないんじゃない不可能だ母と不幸をシンクロの義務
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SOS 密かに鳴らす爪先で 休暇明けのデスク青藍の空
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黒板にうずまきかいたら飛んできたもんしろ蝶が吸いこまれてゆく
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誰しもがバリアを張って生きている 傷つかないし壊れないから
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息浅く表情筋も垂れる日は地面が近いヒマワリ遠い
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ジム行かないジョギングしない一週間全部猛暑のせいにしてみる
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知らねばと探る人生。知らぬまま触れた夏の夜、 指のささくれ
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月光を霞む紫煙や波間の藍、夜の色を知る。貴方と共に
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惚れっぽいすぐ感動して好きになるそれを私の長所と呼ぼう
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あさぎりに かすかに見ゆる 人の影 想いも霧に 包まれ初める
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ヤマアラシ トゲさえ抜いて しまえたら  近づきあって 愛し合えるか
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想うほど 胸のみならず 腹までも 張り裂けんとて 喉もむせびぬ
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細腕に 満開湛う 艶姿 云えぬ想いも いかで託さん
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昼下がり ピカリと光って 見えるのは 太陽なのか 君の笑顔か
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夕暮れと 流れる田畑 君の記憶 ここにはきっと 戻らないから
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