ピンク帽かぶ赤子あかご電車中でんしゃなか母に抱かれ春の花束
29
備蓄品 ガサゴソしてる 猫たちに  娘の名前で 声荒げてた
11
つがい鴨 仲睦まじく 微笑まし 南風吹き 薄氷崩れ 北へ去りゆくや
6
「暑いですね」 卯月と思えぬ挨拶交わし 額の汗拭き庭の草刈る
22
人知れず初冬に開花 暖春にいだかれ実りはじむ 枇杷の木
30
目覚めたら 夢だったとか 無きにしも 非ずなんて ある訳もなく
10
高架橋リフレインする貨物列車 ガタン、ゴトン 私は消えて
14
行く場所とこが ある幸せに 目覚める 爽やかな朝 一歩踏み出す
20
合歓の木の失せた川辺を見渡せば黄花コスモス空に向かいて
19
カタクリの恥じらうような花一輪長き時経てやっとお出まし
22
米国に 加担はしない 抗議する 絶対見ない メジャーリーグ
12
青空に残雪きわだつ岩木山おやま見てつい掌をあわす吾は津軽衆
13
見上げれば 朝陽に照らされ綿の雲 萌黄もえぎの葉のにふんわり浮かび
19
ドウダンの花の袋に祈りこめ白き小さき鈴は鳴りけり
41
待つ君の背中に滲む「さよなら」に花の香りを添えて返そう
26
ボアシーツ まるごと押し込み洗濯機 気分は早くも初夏へと向かう
20
春の陽に 土を持ち上げ顔を出す 旬の筍山の香満ちて  
28
石鹸の匂いに君を抱きしめる私の行方を花は知らない
17
明け方に ただいまという 母の声 安心をして もう少し寝る
7
あんたって 人質になっても 楽しそう わたしもいつか そうなれるかな
5
あたたかい こんなことのためにウチらが ここにいなきゃいけないってマジか
5
何が自分の幸せかなんて 考える暇もなく 幸せにならせろ世界
5
神からの怒号は聞かず辿り行け小さな幸に笑う日も来る
25
触覚で命伝える蟻たちへ切なき人の文明照らす
25
春うらら 春一番に 桜舞う そよ風に乗り あなたのもとへ
13
誘導灯 虫を集めて 金にする 世の欲を吐き 走り去る我れ
19
吾が内に 世界再編 策は無し 「金」「金」「金」カネカネカネだ あるじトランプ
12
頭薬のごとく光る文机の身捨つるほどの家族はありや
7
左耳 ピアスは勇気 だと信じ ダイヤよ共に生きると誓う
16
寝息まで愛していたい旅の夜毎日聞けることを願って
13