きゅっと踏むあの感触を期待すも雪は虚しく風に散りゆく
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妻と子の元旦おみくじ凶だった別寺べつじにて今日二人とも凶 〔これ以上はもうあるまい)
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あーあって仰いだ天に星がいた。思ったよりもめっちゃいたのよ。
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何回も「今」が消された跡のある「明日、放課後、校舎裏来て」
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実家から出てきたんですくたびれた学校指定のあなたの短パン
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簡単な 引き算すらも ままならぬ かたむいていく 我の脳力のうりょく
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ありふれた話しのおわりあのときに飛びかかったね麦藁帽子
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我が家では 冬の日曜 鍋となる 妻がのこした 家族のきまり
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こんなにも凍てつく寒波幕おろすしげしげと見つめていた祖母の面差し
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朝を告ぐカーテンからの木漏れ日の 笑みに輝くルージュ春色
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会いたいけどだれに会いたいんだろうな つぎつぎこぼれるイルミネーション
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隠し持つ青い小びんのサイダーがいっそあふれて竜になるなら
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ねこ母も実は涙がとまらなく 目薬さすか アレグラ?買うか
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あったかくなると花粉が飛散して 悲惨なことになったらやだな
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一度きりなぞった祖母の生命線 記憶とともにザラザラしていく
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若い頃ほっそりとしたハンサムの吾のイメージ旧知に残る 〔ホンマかいな)
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いくつものひかりの扉が待つてゐる図鑑を抱き眠つたあの日
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以前から吾浅黒く肥えてるがなぜか旧知は会うと驚く
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顔面をおそう濁流とまらない鼻水なみだ花粉デビューか?
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私とは果実だろうか酸寒とわかったような木に晒された
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赤らめた右手人差し指が云う「冬は長いぞ保湿をせよ」と
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てんつく太鼓ちょん柝ひとつ 化粧回し連なりて場所が春告ぐ
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これあげる スニッカーズは 好きだよね 微妙すぎるぜ バレンタインデー
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衣更着きぬさらぎ(如月)だのに一枚脱ぎすてて遊ぶ子らには春隣はるとなりらし
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すっ転び私が立ち上がる瞬間ときに見上げた空はほんとうの青
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筆ペンで 写経する手に 添えられた 優しい記憶 文字に表る
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家族にも 友にも言えぬ 本心を 三十一文字みそひともじに [Utakata]に託し
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澄んだ空まっすぐ腕を突っ込んでかき混ぜてみる春を探して
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編みかけのセーターそっと抱きしめて祖母のぬくもり今も残るよう
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どこまでが君でどこから僕なのか影踏むばかりいっそこのまま
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