旧友の 何年振りかメッセージ 変わらなすぎて 嬉し泣きして
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さようなら五文字で違える生き先を 恋心とは朧気なり
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赤紫蘇と梅酢に漬けた蕪ほのりピンク春らし食卓飾る
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色つきのリップクリーム今日くらい許してよって卒業の朝
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感触をひらくことばになぞられて暗いほのおに灯る輪郭
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一生、追いつけない光を掴もうと手を伸ばす 猫みたいにすり抜けていく
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キラキラと輝く銀河のその底でずっと生きてていたかったのに
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ボケた振り ごく冗談のつもりだが要介護かとささやく家族
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足をつる前の静けさ察し取り咄嗟に伸ばし回避し一人
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生き残り図る異なる社風でも手をつなぎスーパー激戦に
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決意と気迫あれば戦争やめられる甘いな無駄な反戦歌また
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食堂のおばあちゃんプロ胃袋を満たす「銀ダラ煮付け定食」
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幻惑の新投法の君いいね絶妙な間にクイック変化
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終盤にギア満点の度胸から初マラソンで日本最高
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口さみし 酸いも甘いも 満ち足りず あなたと早く キスがしたい
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三十余年生きて残り時間半分こして一緒に食べよう
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ルピナスの 苗売れ残り ひとかごに 物言はぬ花 籠ごと買ひて
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いち早く 眠りたいのに 追いカフェイン 夜と朝の 狭間で揺蕩う
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きらきらと窓辺で白いひげ光り ねこは目を細め春を待ってる
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沸いた湯で紅茶を飲めばため息と少し寂しさ蒸気にのぼる
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さいごまで飼い慣らしてくれ道化師の操り糸の先にいさせて
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気にしても仕方がないこと知りつつも あんよが上手な子供を目で追う
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目が合うとニッコリ笑うキミが好き 一歳のキミ天使の微笑み
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長崎3区調整自民不戦敗政治とカネの逆風予想
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鍋の具を考えながらうたた寝を 今日の主役はザク切りキャベツ
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晴男なら警備員あいにくの大雨は雨女を惚れて
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遅咲きの 寒椿揺らす 春風は 誰の味方や 草木のかたきや
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写経する右手の筆ペン少し揺れ 深く息吸い背筋を伸ばして
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炊き立てのキノコごはんの香ばしさ 大根おろしにじゃこ添えて
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階段を選んで登る  お金くらい役に立ちそう筋肉貯金
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