太陽を忘れるために食む夜は甘いですかと三日月に問う
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音の鳴るところを探しひとまわり 離れてみつけるこのギターだね
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窓掛けを開いてみれば有明とまごうばかりの月の明るさ
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夜も更けて独り寝ころび想うことあなたが何処かで息をしている
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重い想いのは「出逢えた歓び」決まってる そう天秤は教えてくれた
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ふと思う 空に昇った 級友を ぼくは君を 忘れてないよ
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こころ堕ち 短歌で吐いて 救われて 皆さん逢えた これも人生
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頼っても 願っても 朝が来るのなら 夜もやっぱり友達じゃない
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虚ろな目してるあなたの網膜に像を結べる場所まで歩く
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墓を掘り返すみたいにパソコンを暴けばあなたのうたの沈黙
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いつまでも夜から出られない体 かみさまあなたを愛しています
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語幹「うつ」 「いまあったものがなくなる」意味か うつせみ うつろ うつつ うつる /うつくし(笑)
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レイソル市 昼半時の 慈雨ありて ゆうどきまでの うるおい涼む /爺草(w)
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天秤てんびんは当然のように傾いた 「出逢えたよろこび」「逢えないせつなさ」
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温暖化進むそれでも止まらないヒトの欲求地球ほしの行く末
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少しずつ 相棒からだが前に戻ってく 気持ちも早く戻らぬものか
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我々はバスに乗りたるアルマジロ座席の上に丸まりて眠る
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満月で 浄化となった 黒歴史 今は見えない ふりしていたい
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黄昏の今の日本の立ち位置と重なって見え自前ワクチン
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結婚し音信不通の息子宛 誕生日おめでとスタンプで生存確認
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空調の効いた部屋から滑り出て 見えぬ暖気につつまれてゆく
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アスファルトの上涼しげに転がりぬ羽化できぬまま死んでゐる蝉
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笑顔が素敵だった彼から学んだ 笑う者が幸せになる
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道標みちしるべどんな時でも真っ直ぐに 導いてくれる彼の優しさ
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山にかかる 煙雨が好き 雨のへり 聞こえないように 呟くきみ
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気が急いて ケーキセットを秒で食べ わが猫らの待つ家路をいそぐ
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スタバ寄る 若い女の子 チラと見て 我はその先の隠れ家紅茶店
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我が友の 痛み我慢と 突き離す 元気になりて ほっとする朝
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通勤の階段上る足取りの 重さが今日の体調告げる
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「ほんならね、また明日ね」と わが猫にも 言えたらいいのに 言えたらいいのに
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