卯の月やふあんふあんと風が撫で出逢いは不安不安で苦手
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春の夜は遠くの野辺の蝶のはね この手に落ちる星のひとかけ
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揺れた尾に恥に鰓の艶めきに目を瞠っては叫ぶ「マシェリ!」と
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諦めの上手いお前のことだからそのまばたきも愛しく見える
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金属の囁く声を織り交ぜた過去の結晶 偏光の檻
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寸分も狂わず射抜いて見せようか 君の頭上の恐れと果肉
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拝啓のすぐあと一行目に使う初めましてを言った声色
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環境が変わるにつれてあの人の苗字がただの記号へと化す
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おふせを少しくれる人はお気持ち おふせを一杯くれる人は少し困る
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スキー板履いたつもりでづかづかと歩く夜道の風の冷たさ
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好きな色、黄色と緑。好きな音、お風呂場の雨、春の真夜中。
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攻めてなきゃ生きた心地がしないんだ 部屋にこもって発酵してな
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夢の中におえる妹に恋焦がれ刹那の瞬き蝉の命よ
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ホームに佇む私を照らす青色灯は誰の墓標か
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穏やかに目が合う街中のキリン きっと明日も目が合うでしょう
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かぎろいのパイロキネシス単純な加法定理に従い、回る
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春うらら 桜開きし 今日の日よ 染まる薄桃 我のゆく道
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「大好き」の色や香りを知ってるか 知らないままにまた口にする
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なけなしの行動力を悪者に搾取されたる春の陽気よ
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私にも君にも同じ春が来る ほら柔らかい風が吹いてる
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飛行機も高速道路の自動車も興味すらなく我通り過ぐ
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山の尾根近くに見えて明瞭に今日から春と心に決める
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花菜漬トントントンとまな板と葉を軽くたたく母の影見ゆ
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if __name__ == '__main__':君が「主」という名前なら 」に始まる空々しい祈りがとぐろを巻く
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折れた傘を灼け【音を割れ】人海を泥の底からかえせ 春雷
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とりあえずあなたはいるということに、そして世界はあることにする
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クリムトの 絵のごとくに 愛しあう あなたの首が 細く長く
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麗しき その横顔を 盗み見る 人妻となりし 君なればこそ
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君の首、当てるいろはす冷え冷えの ああこのままで、ずっといれたら
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錠剤を飲む前のあの気怠さを、飲んだ後には忘れているから
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