Utakata
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わたしはめしべ/谷崎叶
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躓いた小石で転んだ道の上
恋死につるも生きめぐりゆく #恋死に
鬱巴
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信頼の上に重ねた言葉さえ雨に降られたぬかるみに落ち
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人間の心があると信じてるそのきっかけが私じゃなくても
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叫べども返事は来ない人間の皮をかぶった獣だったか
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置き去りの心は九月の空の下 友情色の蜃気楼ゆれ
5
男などいらぬ世界で暮らしたい 我が子に向けた暗い感情
5
いつの世も男のために用意され 用が済んでも吸い付くされる
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豪農の客しか来ないと酌女 港町には漁師しか来ぬ
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右腕がちぎれるほどの
唐黍
(
とうきび
)
を下げた女が月夜の道を
8
秋だからでしょうと言いたい「何してる?」六インチ閉じ溜息ついた
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灰色の空引っ掻いた白色の直線が黒い地面を濡らし広がり
4
沓脱に跳ねるしずくが足に飛び雨戸立てゆく縁側の雨
6
人からの誘い断り雨だれの流れ落ちるをただ聞く夜半
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空を飛ぶ小鳥を妬む気持ちさえ なくし見つめる家族の予定
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足枷の自由を小股で徘徊し満腹以外の喜び忘れ
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一瞬の閃光みたいに輝いた君の命の輝きがまだ
6
天麩羅の衣儚く口溶けに冷酒注いで彼を弔う
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どろどろが一七〇度でかたくなる 不思議につられて茄子を揚げ揚げ
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夏だもの パンはカビるしきゅうりは水に 君は肺炎で川をわたった
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飛び地にて一人果てゆく
蟋蟀
(
こおろぎ
)
が羨ましいよ しがらみの秋
6
死にかけの蜻蛉に水をとらせたわ もがき地を這う私を見たわ
8
エアコンの返事が聞こえず起き上がり水を飲みふと夕暮れを見る
4
「ください」といえば許しを得られると教えた世界の甘さ恨みな
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悲しいと言えるあなたの素敵さを少額寄付では守れぬけれど
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花びらに触れるが如く口づけを信号待ちで夢に見た夏
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茜さす紫帯びた
躑躅色
(
つつじいろ
)
リアーナみたく唇にのせ
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雨音に耳そばだててエアコンを切り窓開けて夜半の風浴び
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眉庇
(
まびさし
)
の灼かれる腕もそのままに今日の朝顔に水をくれなむ
5
朝顔の咲き映え萎む毎日にあなたの笑顔を重ねつつ摘む
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夕暮れの一瞬みたいな服を着て金星みたいなピアスをつけた
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憂鬱に濡れしまぶたにわたくしの香り移したハンケチ託し
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