Utakata
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わたしはめしべ/谷崎叶
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躓いた小石で転んだ道の上
恋死につるも生きめぐりゆく #恋死に
鬱巴
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物件を探すツバメが窓の外 目が合う前世の友だったかい?
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泡になり消えたいと願う悲しみはバブルバスにて供養するなり
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会いたいと言葉にしても叶わない惨めさを抱き身を投げんとす
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目を塞ぎ耳も塞いで走り出す私はどこへ山のあちらへ
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何一つできなかったな無力さを噛み締めながら思い出を捨て
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君のこと思っていても昼食に何食べたかは知らないでいる
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返事がない これで終わりと知りながら希望を探し部屋の掃除す
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ひぐらしのシャワー降りぬる鬱蒼は三半規管をかき乱しゆく
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エアマックスココから覗く指先に 銀をひと刷毛 あがりかまちで
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あそこがね棹さすときの勘所 感謝に価値を知る我が身なり
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繰り返し沸かし直したお湯で飲む 珈琲に今日の多忙を思う
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選り好みするような熱持てなくて空蝉の僕を埋める発情
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好き嫌いありません ただ渺渺の優しい孤独の海にたゆたう
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恋しいと恋のさかいに君がいていつかの笑顔が胸に痛くて
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正確な 税の徴収の如き死は 生ききってから考えますね
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夕時の篠つく雨のぬかるみの 泥粒の絹の肌に散り飛ぶ
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だこちてが上手く言えない君と僕 檻破れずに傷つけあって
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ひとときの海馬をかすめた指先に 焦がれる胸を海に返して
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逢いたいを重ねども またかささぎの尾を眺め 風の中にいるなり
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ほんとうは確かめたいのに二の足を 脱げない赤い靴で舞い舞い
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たなびいたご縁が風になぶられて 初めて出会う私の姿
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何回もまつり直した裾丈は 対話で培う譲らなさから
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「キュンです」ということでしか凡才を持て余す我慰められず
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不機嫌な顔や声色見えぬれば喉奥に詰まるちいさなわたし
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憂鬱を飼いならしてる唯一のペットなんですかわいく啼くでしょ
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さわやかも充実も遠い呪われた我が身こうして饐えてゆくなり
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内臓を蹂躙していく快感に勝るは君を飼う面倒よ
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洗面台打ち付けられて生まれくる瘤いつまでもそこにいてよと
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ともだちが次々元気をなくしてく それが梅雨です季節のせいです
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何すれば苦痛が消えるか思い出せ 私には文字があったじゃないか
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