カーテン開け 秋雲ありて いだく微かな悦び 蝉時雨に打ち消さる
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ねこが破った 障子の穴から青空が 今日も酷暑になるのだろうか
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電話にて 長々話す 先輩の 切れずに時の 過ぎるのを待つ
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腰痛く 別れた妻に 電話して 薬を頼む 友の心は
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がんの本 勧めし気持ち 良く知らず ざっと読んだら 妻激怒する
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丑三つ時 ヤケ酒はじめても仕方ない 朝イチ、ラインで「昨夜はゴメン」と
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もうちょっと言いようあったろ、我のバカ 冗談めかして めかしきれなんだか
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やらかした 眠剤のんでた寝る直前 友とのライン 真意伝わるか
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君のこと思い出すたび苦しくて それでも君を思い浮かべて
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26時 君から突然来たLINE 途切れぬように話題をあさる
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「ひとりで映画観てきたよ」と友が言う チケットは2枚あったらしいが
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絡まった指の谷間に落ちてゆく 朝顔色の一粒の愛
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重い腰をあげてあしたもアルバイト 質は落とさず・でも上げすぎず
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あおくさい学生同士の無駄話 あほくさくもあり まぶしくもあり
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下書きがうっすら透ける便箋と淡い心をちぎって捨てた
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冷たさを振り返る間も貰えずにまた朝が来る 今日へ駆け込む
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憧れた、苦しいほどに憧れた 貴女を想い諦める夏
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「神戸市の課題は人口減少です」地元を離れたこの身に刺さる
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冷めやらぬ興奮抑えて街歩き 柿木畠かきのきばたけでお店を眺む
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音信川おとずれがわという名に 強く心惹かれる 未だ見ぬヤマグチ
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誘われてない遊びを見る機会増え俺の制服は綺麗なままだ
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さようなら青色光で浮かぶ文字確かめられぬ締めくくりの夜
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鈍色の今日を過ごせば明日にはゼロに戻ると呟いてみる
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母さんが死んだら君に望むこと人に尽くして自分を砕くな。
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暑さからまだ書けてないスピーチは田中好子の葬儀が見本
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生保だし遊びに行ける余裕無し車も無いし老人居るし
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大阪の万博どうも難しい。今それじゃない。そう言う空気
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そろそろね、痩せなきゃならないタイミングきっかけなんて掴まなかった
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暑いとは辛い苦しい事柄で暑苦しいのは昔の記憶
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ねぇ息子キミよ母は短歌うたを詠いたい プロテインの話は明日聞くから!
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