雨の日は死んだ人間の呼び声に返事をしてもよいこととする
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昼下がりあなたを突き刺す彼女の目僕はタバコを吸うフリをする
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「あの時は楽しかったね」「そうだよね」君とおんなじ記憶持ってる
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〝ひとりでも歩ける〞と言う 君のこと 誇らしくって、すこしさみしい
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「今日は」と笑顔で挨拶すれば 「今日は」と笑って頭を軽く下げてくれて ーー今日は笑顔の一日でありますように!
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似合うからと母が買ってくれる服どれもこれもがわんぱくな服
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曇天に霞む桜の花びらの脇の緑が主役の気温
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本当に願うことだけ叶わない 悪い夢だわ人生なんて
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カキクケコ 君のカ行の発音は 波の音にも負けずに響く
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I don’t wanna work 僕らは消費されている 定時で帰ることはほぼない
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毛玉取る洗濯する干す畳む寝る起きる歯磨く味噌汁を飲む
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意地悪く笑うマスクと緩む目に吸われる魂それは空洞
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僕らしか知らない屋根の雀の巣百年経っても無くならない
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引き出しに返し損ねた本があり 城は春だし草木深し
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大人とは理想気体のようだねと 相談室であの子は言った
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永遠の別れとはいつか借りたCDをすぐに返せない距離
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あなたはあなたの知らないわたしを見て見ぬふりするのがお上手ね
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スーツ捨て車に乗って北へ行く青函トンネル耐えられるかな
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街灯をスポットライトに変えながら 歌うは調子外れの独奏歌アリア
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キャラクリの季節や春につよつよな2ndキャラでやり直したい
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おれだけは今日を遺そう葉桜よ甲斐性のないスマホのカメラ
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指の先でゴミになったコンタクトレンズに少し愛着がわく
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見切り品のいちごを買ったあの夜はきっと誰より幸せだった
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いや、王よ、殺したいのは別にそのあんたっつう人間じゃないんだ
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たんぽぽの綿毛のように柔らかく丸いさよならを君に告げよう
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このごろの 僕の心は 桜のよう 散っても再び 風に舞いたい
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君の目を ひそかに溶かしこんだため 今日の夜空は あんなにきれい
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新しい ペンが欲しいの 空色の 君に書きたい 手紙のために
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身を投げて この歌さえ、と、君さえ、と のぞんでもなお 届かぬままで
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君の声、君の声だけを 聞きたくて そいつ以外はなんにもいらない
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