Lime
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主に二つの海を行き来してます

潰せばかすかにサリチル酸メチルが匂う そんな大人になりたい
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投げ渡す時計の針の指す向きににヴィエンナ・ワルツのあくどいパロディ
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治らない指のささくれ血が滲み 痛みに逃げる自らを知る
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乾風からかぜがやみてしづまる町裏に枯紫陽花がなほしがみつき
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空腹は夜のつばさを剥ぎ取って И я стала королевойそして私は女王になった
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武蔵野を模したる森の小径こみち  母が子に望遠鏡スコープあたふか問ひし
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賢治忌がすぎて星負うあらし雲 ゆうべに紅く灼け露落とす
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信濃の地 拓くひとが為  稲の穂も、栗、栃の実も いざ熟れめやも
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「落ち着け」と気軽に言うが それだけでできたら 何の苦労もねえよ
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濡るるごと深くなりける早緑さみどりに縁どられゐし役所の灯
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びん掻けば生の証左が舞い落つる床にて処方箋くすりのききめを祈り
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ポロネーズ第六番の律動は波蘭の舞踊と言ひし母かな
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麋角羊歯ビカクシダ 水とひかりでこと足りし たふとさおぼゆ 丑三つの刻
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女生徒のソックス 秘密を漏らさじと しめやかに踏む 図書館の床
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地下鉄に駆ける人々訝るは 都会気取りの慢心なのか
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玄関に合羽さげたる家あかり くびりしひとかと 驚かれぬる
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水たまり よどむ灯の矮星に 雨の光子フォトンが われさきに逝く
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ハライドのひかりに眩し jacarandáハカランダ 小二のころの初心うぶなむらさき
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正直に手を挙げなさい あまふりの脈を感じるフェチな野郎は
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ピアソラの鼓動リズムを 胸にとゞめつゝ 感傷に天使逝きたまふなり
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駅ホーム監視カメラのいずれにも 自分の顔は映し出されず
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心臓の悪魔の鏡を取り出せず これが大人ということにする
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書留のせいにしちゃってファサードを描く足音立春を過ぎ
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傘ささで 髪に積もったぼた雪を 融くに任せて 夜をゆくひと
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どちらかが風除けになる偏りがあっても並ぶ木々になりたい
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早すぎも遅すぎも駄目 アセトアルデヒドただ酔う頃合いがイイ
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重心を あらゆる場所に 置けなくて 薄い氷の 廊下は翳る
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夢オチの銃撃ショットは夢精の隠喩メタファかな ・・・性癖あげく、漱石枕流むりなこじつけ
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さんざめく 雲の波間に月出でて 貝の光が 街に降り立ち
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酔い歩く人等避けつつ ポケットのハンドタオルに その手を包み
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