Utakata
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主に二つの海を行き来してます
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片割れの 月の行方を 星系を 離れた
我
(
イド
)
の 彼岸に探す
2
実存の
信号
(
シグナル
)
などと 街頭で 三文オペラの 口笛を吹き
1
エナメルの靴で蹴飛ばせ 考えを辞めた奴らの チープ構文
1
まぼろしの 夏の名残に 夜が潤み すべて嘘よと
蟋蟀
(
こおろぎ
)
が鳴き
1
御法度の夜に 半月と 蠍座の星が
赫
(
あか
)
らみ 輝けるかも
1
夏の夜の
Hi-Fi
(
ハイ・ファイ
)
な夢と 言わないで Flipper’sの ボリューム上げよ
0
嵐雲 陽の入りしとき
黄水晶
(
シトリン
)
と
蒼玉
(
サファイア
)
の色に 分かつ空かな
2
姫蔓蕎麦
(
ポリゴナム
)
繁茂せし家 駐輪を諦めて 幾星霜経ちらむ
1
忘却の河身投げたし! 物なべて 哀しきことと なり果てつ今
1
勤めあけ 雲とりどりの 空見れば 白ひとすぢの 月を詠むかな
1
小遣いで 買ひし 廉価の鉱石を
矯め
(
た
)
つ
眇
(
すが
)
めつ 眺む日もあり
4
わんわんと 止むこと知らぬ 室外機に 耳傾けて 小夜更けるかな
2
断罪も 祝福もなき この娑婆の 真空地帯に 時雨れつるかな
1
あやまちに 塗れたこの道 帰り道 夕餉にせむとて 刺身かふかな
0
将来は 世に出むべしと 英語など 習ふ人など 眩ゆけれども
0
堪
(
たへ
)
がたき 喉の渇きに 潮
出
(
いず
)
る 井戸水汲みし 明け方の夢
0
夕べ吹く風は 孤独を誘ひしか 青田集ひし 青鷺の群
3
出張の
帰
(
かへ
)
さの 電車を待ちわびて 下校途中の 語らひ聞きぬ
0
いつの日か 河原で拾った 鬼胡桃の 殻の片割れ探すよ 今日も
0
透明にならむと 雨にそそがれし 空気呑むかな 煙草屋の軒
2
苦しみも 所詮はもの云ふ肉塊の 生理と云へば 気は晴れるまし
0
海原に 日が落つるとき 鳴り止まぬ アダージェットが耳に木霊し
0
無愛想は Heelのわたしの 処世術 ー
不管喜欢还是不喜欢
(
好む好まざるに関わらず
)
。
0
「現代」と いふ名のなかに 貧乏や悲惨隠しぬ あの街明かり
1
店外で ファスト・フードを 待つひとの 見てゐし方を 我も見て遣り
0
真夜中に ギター爪弾く ささやかに ひとつふたつの コードしか知らねど
0
五月晴れ 外に
出
(
いず
)
れば
眼裏
(
まなうら
)
の 敢へなき悩みを 陽の光に灼き
1
百代
(
はくたい
)
も ただ見蕩れたし 瑞瑞し
百合
(
リリィ
)
の蕾に 露したたるを
0
青梅の 実にくちづけて 青酸の 甘い悪夢に酔ひし 雨ふり
0
紫陽花に 匂ひなかれど 喉元に 悲しみに似た エステルが落つ
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