Lime
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主に二つの海を行き来してます

褒められたし わけでもなかろと 慰めし 己(おれ)と酒精と 大寒の夜半
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飛び交ひし 空疎な飛語に ガブリエルの如く 超現実(ハイパー・リアル)と 嘯いてみたし
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倦みてやまぬ心は 空に翔べよとて 吹き抜けの空 ハンケチを投げ
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身の程に 耐へ難くして “Demian(デミアン)” を紐解き  Sinclair(シンクレエル) に為らむ
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枝豆を食みて 聞きゐし  亡くなりぬひとの上に 水子五つあり
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フリジアの地に建つ 蒸気の水門に ひとは頼めり  昔も今も
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船寄せし 宮古の浦の 月山(がっさん)に 月かかるさま 見し宵ありし
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をりふしに 古書街ゆきて 百円の 文庫もとむは 楽しかりけり
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振れ廻る こころの為に 捨てよとは  その心馳を 無下にするのか
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火曜日の夜に 酔ひ伏す 人にふる 金木犀(キンモクセイ)のかほり  無下かな
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灰霧に 世界は沈む  珈琲(コーヒー)に糖酒(ラム)を落として 風雨のラジオ
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横顔に 青春時代( アドレセンス)の 陰見たり 尾崎豊の唄 君は愛で
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時化ゆえに 訓告与ふひと 耳は故郷(くに)のことばの 間延びしを追ひ
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産み出さず 死骸を喰らひて生きる 我らと良く似し 銀竜草(ギンリョウソウ)此処に
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幸福や 希望とかの 実在を 嘯くような 杜(もり)の木漏日
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帰り路に 地虫の鳴きぬ か細けき声 沁み入りし 春夏の速水に
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引つ詰めた 髪にスーツに 黒鞄 隠したきこと  額になきか
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赤いひとと 碧いひとの 臨終を  指折り数ふる 横断信号
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北極星 視えぬ君の 指し示す  織姫星の その明るさよ
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そぼ降れる雨の隙間に 半昔前の 蕺草(どくだみ)の 葉の青(あを)くささ
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柏手を打って 願いは特に無く 一応平和と 駅のホームドア
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窓灯 ホームドラマは 可能性・不可能性の 間(あわい)の私
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賽の目の 選ぶ禍福も 一巡り  なべてこの世は 零和(ゼロサム)ゲーム
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閃いた指輪の先だけ 分けたまへ  家の桜を愛す心を
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星の如 遠い岬に 君となら行ける気がした 黯(くら)い渚で
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境内に 咲きし天竺牡丹(ダリヤ)は 泰然と待てり  主人に頸打たるるを
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こうもりを 横に提げたる をとこらの 膝を突きたし 微雨なる朝(あした)
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「襟足は刈ってください」  四月の陽 木香薔薇咲き 香り滴る
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追憶の 山の霞は 山法師  それとも只の 葉のきらめきか
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人疎ふ 心にあれど  君慕ふ 心理は如何に 分析さるる
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