Utakata
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主に二つの海を行き来してます
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修論を 書きゐし頃は 雨上がり 鎮守の
杜
(
もり
)
を
歩
(
あり
)
く日々かも
3
智恵子抄 無機質となり、元素となり、昇天しつる、高村の
女
(
ひと
)
。
1
壁紙の宇宙を見ては 息をするもの 恋しくて 加湿器を買い
0
ひとの世を 一から無限に 並べたて 充足可能を
質す
(
ただ
)
何某
0
或ひは唯 惑ひゆきたし
落葉松
(
からまつ
)
の林の香気 肺沁むひかり
1
何がそれ 大事なのかと 相問ひし 気圏に生くる ひとの哀しさ
0
夜八時 ボーナス・タイムの ランデヴー 立待月は 目覚めたばかり
0
珈琲を片手に 無限退却す
房
(
へや
)
に
常世
(
とこよ
)
の 雪は降りをり
0
褒められたし わけでもなかろと 慰めし
己
(
おれ
)
と酒精と 大寒の夜半
0
飛び交ひし 空疎な飛語に ガブリエルの如く
超現実
(
ハイパー・リアル
)
と 嘯いてみたし
0
倦みてやまぬ心は 空に翔べよとて 吹き抜けの空 ハンケチを投げ
1
身の程に 耐へ難くして “
Demian
(
デミアン
)
” を紐解き
Sinclair
(
シンクレエル
)
に為らむ
0
枝豆を食みて 聞きゐし 亡くなりぬひとの上に 水子五つあり
0
フリジアの地に建つ 蒸気の水門に ひとは頼めり 昔も今も
3
船寄せし 宮古の浦の
月山
(
がっさん
)
に 月かかるさま 見し宵ありし
1
をりふしに 古書街ゆきて 百円の 文庫もとむは 楽しかりけり
0
振れ廻る こころの為に 捨てよとは その心馳を 無下にするのか
0
火曜日の夜に 酔ひ伏す 人にふる
金木犀
(
キンモクセイ
)
のかほり 無下かな
1
灰霧に 世界は沈む
珈琲
(
コーヒー
)
に
糖酒
(
ラム
)
を落として 風雨のラジオ
4
横顔に
青春時代
(
アドレセンス
)
の 陰見たり 尾崎豊の唄 君は愛で
2
時化ゆえに 訓告与ふひと 耳は
故郷
(
くに
)
のことばの 間延びしを追ひ
1
産み出さず 死骸を喰らひて生きる 我らと良く似し
銀竜草
(
ギンリョウソウ
)
此処に
0
幸福や 希望とかの 実在を 嘯くような
杜
(
もり
)
の木漏日
1
帰り路に 地虫の鳴きぬ か細けき声 沁み入りし 春夏の速水に
2
引つ詰めた 髪にスーツに 黒鞄 隠したきこと 額になきか
1
赤いひとと 碧いひとの 臨終を 指折り数ふる 横断信号
0
北極星 視えぬ君の 指し示す 織姫星の その明るさよ
2
そぼ降れる雨の隙間に 半昔前の
蕺草
(
どくだみ
)
の 葉の
青
(
あを
)
くささ
1
柏手を打って 願いは特に無く 一応平和と 駅のホームドア
0
窓灯 ホームドラマは 可能性・不可能性の
間
(
あわい
)
の私
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