Lime
18
22
投稿数
279

主に二つの海を行き来してます

浜茄子はまなすの 花摘むとて 緑なす くらい入江に ふかくさまよひ
2
だうでもいひ、 だうでもいひと 吐き捨てし ことば拾ひて また噛めるひび
2
修論を 書きゐし頃は 雨上がり 鎮守のもりありく日々かも
3
智恵子抄  無機質となり、元素となり、昇天しつる、高村のひと
1
壁紙の宇宙を見ては 息をするもの 恋しくて 加湿器を買い
0
ひとの世を 一から無限に 並べたて 充足可能を 質すただ 何某
0
或ひは唯 惑ひゆきたし 落葉松からまつの林の香気  肺沁むひかり
1
何がそれ 大事なのかと 相問ひし 気圏に生くる ひとの哀しさ
0
夜八時 ボーナス・タイムの ランデヴー 立待月は 目覚めたばかり
0
珈琲を片手に 無限退却す へや常世とこよの 雪は降りをり
0
褒められたし わけでもなかろと 慰めし おれと酒精と 大寒の夜半
0
飛び交ひし 空疎な飛語に ガブリエルの如く 超現実ハイパー・リアルと 嘯いてみたし
0
倦みてやまぬ心は 空に翔べよとて 吹き抜けの空 ハンケチを投げ
1
身の程に 耐へ難くして “Demianデミアン” を紐解き  Sinclairシンクレエル に為らむ
0
枝豆を食みて 聞きゐし  亡くなりぬひとの上に 水子五つあり
0
フリジアの地に建つ 蒸気の水門に ひとは頼めり  昔も今も
3
船寄せし 宮古の浦の 月山がっさんに 月かかるさま 見し宵ありし
1
をりふしに 古書街ゆきて 百円の 文庫もとむは 楽しかりけり
0
振れ廻る こころの為に 捨てよとは  その心馳を 無下にするのか
0
火曜日の夜に 酔ひ伏す 人にふる 金木犀キンモクセイのかほり  無下かな
1
灰霧に 世界は沈む  珈琲コーヒー糖酒ラムを落として 風雨のラジオ
4
横顔に 青春時代 アドレセンスの 陰見たり 尾崎豊の唄 君は愛で
2
時化ゆえに 訓告与ふひと 耳は故郷くにのことばの 間延びしを追ひ
1
産み出さず 死骸を喰らひて生きる 我らと良く似し 銀竜草ギンリョウソウ此処に
0
幸福や 希望とかの 実在を 嘯くような もりの木漏日
1
帰り路に 地虫の鳴きぬ か細けき声 沁み入りし 春夏の速水に
2
引つ詰めた 髪にスーツに 黒鞄 隠したきこと  額になきか
1
赤いひとと 碧いひとの 臨終を  指折り数ふる 横断信号
0
北極星 視えぬ君の 指し示す  織姫星の その明るさよ
2
そぼ降れる雨の隙間に 半昔前の 蕺草どくだみの 葉のあをくささ
1