Lime
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主に二つの海を行き来してます

戯れの様に 翔びけり つがいたる二羽の目白と 山茶花さざんか咲ける
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窓に松 ひよどり叫ぶ 襟口に手を差し 暖をとりたる講師
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窓硝子 映してみたき 坦懐たんかいと 働くおれの エプロン姿
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寒椿 薄日も射さぬ 露地裏に 打ち捨てられし 赤きくず紙
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幾たびに 自分の駄目さを思ひ知る 脱ぎ捨てられる 蛹なりまし
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仰ぎ見る 人工衛星 あの空は まだ黄昏が 終わっていない
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霜夜しもよにて 星のしじまに 沁み渡る Goldberg Variationsゴールドベルグ・ヴァリエーションズ
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神の樹に 成れる御方も 現世うつしよの 風に惑へる 一葉ひとはなりけり
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朒を食む 衆生に欺瞞と云ふ使徒ヒトの 心のうちは 如何であるらむ
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喧騒の街も 暮らしのともしびも 結び目得たり 初春はつはるの日に
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紅白の 根菜などを 細やかに 細やかに切る 初春はつはるのため
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ふくらかに 匂へる 風呂場に置きたりし 柚子の 徐々に腐りたるを
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〈道〉と云ふ 居酒屋タヴァンに 飾れる 肖像の 道化女優ジェルソミーナは 喇叭を吹けり
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「本物の貴方は何処に?」 虚像イメージを 無限反射す 鏡地獄シミュレーショニズム
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苦しみが 君が一世の神髄で あるべきなどと 言えるか莫迦か
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信号機 横立つ人の 外套の 綻びたるを かなしと思ひ
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麦酒ビール以て 赤らむ顔の おれを褒め なじれる友は とくと笑へり
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桟橋で 踊れる円舞曲ワルツ 哄笑は 闇夜を抜けて 水面に溶けり
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祈りなく 祝いし 降誕祭クリスマスにあれど 麵麭ぱん葡萄酒わいんは 食卓に在り
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薔薇色の薔薇の樹の薔薇色の薔薇プレヴェール「五月の歌」より」 桃色の桃  百合色の、百合?
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白銀の まろみし月を 蔽ひける 蛋白たんぱく石の 薄片あまた
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かたぶきし Oude Kerk旧教会の晩鐘は 世を儚みし 嘆きにも似て
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Centauri αあるふぁβべーたに導かれ 捧げられたる 南の十字
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羊らは 書を紐解ひもとけり 絶望を 名付けて括弧かっこへ 入れる為に
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濃密に 薫りたりける ししの為 屠らるものの 血潮と脂
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授業クラスにて 畑のけるは 寒冬の風情と書けり 教師解せず
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La plus que lenteレントより遅く 歩きて幾つもの 背を見送りし   明日も斯くあれ
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寂寥セキリョウに暮れて 負いたる背嚢に 我が脊梁セキリョウは ぎしりと鳴れり
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ふるき夢 こごりたりける氷山は 死をもたらせり 直ちに避けよ
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X「波と風、実在すべし」   Y「主観なき世界で 誰ぞ識るべしそれを」 
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