Lime
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主に二つの海を行き来してます

いやな奴、嫌われ者で、みそっかす  そういう人に 私はなりたい
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世知辛い 自分のために 襟に挿す スミレ買おうか 牧神の午後
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恋でなく 諦める人 またひとり  友人帳の 頁は少ない
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朋友の 祝言挙げし  桐箪笥 仕舞いて久しき 古典を思ふ
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衣服を見繕うことは 数多なる 可能性と見ゆ  眩暈起こしぬ
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苦い潮の 寄せるなぎさに穴を掘る  何度も 波に 崩れて埋もれて
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君よ君、 真幸くあれよと 願ひつつ すべてと別れ 我は征くなり
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鮨詰めの電車の中で ひとしきり 声高き人に 耳を澄ませり
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月の裏 残した心は 知らぬ間に 地球照にて 暗く輝く
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戯れの様に 翔びけり つがいたる二羽の目白と 山茶花さざんか咲ける
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窓に松 ひよどり叫ぶ 襟口に手を差し 暖をとりたる講師
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窓硝子 映してみたき 坦懐たんかいと 働くおれの エプロン姿
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寒椿 薄日も射さぬ 露地裏に 打ち捨てられし 赤きくず紙
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幾たびに 自分の駄目さを思ひ知る 脱ぎ捨てられる 蛹なりまし
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仰ぎ見る 人工衛星 あの空は まだ黄昏が 終わっていない
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霜夜しもよにて 星のしじまに 沁み渡る Goldberg Variationsゴールドベルグ・ヴァリエーションズ
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神の樹に 成れる御方も 現世うつしよの 風に惑へる 一葉ひとはなりけり
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朒を食む 衆生に欺瞞と云ふ使徒ヒトの 心のうちは 如何であるらむ
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喧騒の街も 暮らしのともしびも 結び目得たり 初春はつはるの日に
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紅白の 根菜などを 細やかに 細やかに切る 初春はつはるのため
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ふくらかに 匂へる 風呂場に置きたりし 柚子の 徐々に腐りたるを
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〈道〉と云ふ 居酒屋タヴァンに 飾れる 肖像の 道化女優ジェルソミーナは 喇叭を吹けり
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「本物の貴方は何処に?」 虚像イメージを 無限反射す 鏡地獄シミュレーショニズム
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苦しみが 君が一世の神髄で あるべきなどと 言えるか莫迦か
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信号機 横立つ人の 外套の 綻びたるを かなしと思ひ
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麦酒ビール以て 赤らむ顔の おれを褒め なじれる友は とくと笑へり
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桟橋で 踊れる円舞曲ワルツ 哄笑は 闇夜を抜けて 水面に溶けり
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祈りなく 祝いし 降誕祭クリスマスにあれど 麵麭ぱん葡萄酒わいんは 食卓に在り
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薔薇色の薔薇の樹の薔薇色の薔薇プレヴェール「五月の歌」より」 桃色の桃  百合色の、百合?
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白銀の まろみし月を 蔽ひける 蛋白たんぱく石の 薄片あまた
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