Lime
19
24
投稿数
289

主に二つの海を行き来してます

白銀の まろみし月を 蔽ひける 蛋白たんぱく石の 薄片あまた
0
かたぶきし Oude Kerk旧教会の晩鐘は 世を儚みし 嘆きにも似て
0
Centauri αあるふぁβべーたに導かれ 捧げられたる 南の十字
0
羊らは 書を紐解ひもとけり 絶望を 名付けて括弧かっこへ 入れる為に
0
濃密に 薫りたりける ししの為 屠らるものの 血潮と脂
0
授業クラスにて 畑のけるは 寒冬の風情と書けり 教師解せず
0
La plus que lenteレントより遅く 歩きて幾つもの 背を見送りし   明日も斯くあれ
3
寂寥セキリョウに暮れて 負いたる背嚢に 我が脊梁セキリョウは ぎしりと鳴れり
0
ふるき夢 こごりたりける氷山は 死をもたらせり 直ちに避けよ
0
X「波と風、実在すべし」   Y「主観なき世界で 誰ぞ識るべしそれを」 
0
喪ひし 家より見ゆる 大山の 肩戴けり 富士の小白嶺
0
寺山は 愛と云ひけり Prévertプレヴェールは 死と云ひけり 桜桃のたね
1
Apparition surprenanteアパリシオン シュプレノント 顔の無き天使 薔薇の小径 焼灼す
0
人繁げき 新宿西口派出所の 風の寒きに 鳩くびすく
0
故郷とも 知らぬ場所とも 呼ぶことのできぬ街目指す 箱根湯本行
0
しづかなる暮らし欲しまし   箱根山柴を刈りてそ生計立てなむ
0
潮の花すさみぎはをひた走る 君と一緒に あした来るまで
0
みづからの 言葉で世界を解釈し 組成し  疲弊していく友達
0
財布、鍵、携帯、ハンケチ などといふ  はづかしくなき  私の全て
0