Utakata
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主に二つの海を行き来してます
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五月晴れ 外に
出
(
いず
)
れば
眼裏
(
まなうら
)
の 敢へなき悩みを 陽の光に灼き
1
百代
(
はくたい
)
も ただ見蕩れたし 瑞瑞し
百合
(
リリィ
)
の蕾に 露したたるを
0
青梅の 実にくちづけて 青酸の 甘い悪夢に酔ひし 雨ふり
0
紫陽花に 匂ひなかれど 喉元に 悲しみに似た エステルが落つ
2
海峡を渡る列車は ちょっとだけ 此処を離れて
死電区間
(
デッド・セクション
)
0
書き出してみれば 安っぽい与太話 二束三文 わたしの
conte
(
はなし
)
0
Banalités
(
月並みな
)
些事に追われて 口ずさむ «
Je ne veux pas travailler - je veux fumer
(
働きたくない、タバコが吸いたい
)
. »
2
二日後に 嵐来るらし ジャスモン酸メチルの香り ふと過ぎ去りし
2
月浮かぶ
淘陵
(
こゆるぎ
)
の浜に 波寄せて 砂礫鳴らせり 刹那の
理
(
ことはり
)
2
気仙沼 向かひし汽車の 前方に 線路の終わりを 見据えたる昼
1
琴線に 触れる人とは 心持ちの 優しきひとだと 胸痛む夜
2
ひとみから生まれた 小さなひと雫が 頬の平原 旅をする夜
1
地下鉄の ホーム流れる 地下水の 行方想って 石油層降下
0
耳鳴りは 薄っぺらでも ただ無二の 実存ゆさぶる スクラッチ・ノイズ
0
Raksinが遺せし “Laura”の旋律は ぬばたまの夜に 澱と沈みぬ
1
朝は朝 生を選びぬ 夜は夜 罪の告白 ベッドの祭司
0
仇花も 命はありき あめつちの 情けあれよと 祈りし
朝
(
あした
)
4
借りものの 砂の小島で 暮らすため 泡のつぶやき 逃さぬように
1
嘆けけども 春はまた来る 酷薄を
寒緋桜
(
カンヒザクラ
)
の 夜映ゆに見し
1
なけなしの 思ひで箱を さらつては 愚鈍の痛みに 項垂れてをり
0
誰にでも あくまで等しく 雨は降る そんな事実に ただ目を瞑り
2
身のうちに 飢えるこどもを 眠らせむと 雨の夜中に 牛乳を飲み
1
波風に 巻き立つ砂は 忘れゆくなにかのかどを 削り流れる
0
西ゆきの 列車に乗ろう 失くしたけど 損なわれてない ものを探しに
0
夕影
(
ゆふかげ
)
の 富士の白嶺に 風すさび 雪はけぶりとなつて 散るらむ
2
飛行機は 風の終わりを 追いかけて 春嵐来る 南へ入る
2
時経ちて ふと思ひ出し 速報に 並ぶ人等の 絶えなかりしを
0
髪の毛を切りし帰へさの 梅の花 何ごとなしに ただ咲けるのみ
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いちにちの 所作の重さに 耐へかねて Zoetrope〈回転覗き絵〉の 夢想に耽り
1
戯れて 友を泣かせし 女児ありき 水面に透かす
大鷭
(
おおばん
)
の脚
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