Utakata
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Lime
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主に二つの海を行き来してます
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波風に 巻き立つ砂は 忘れゆくなにかのかどを 削り流れる
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西ゆきの 列車に乗ろう 失くしたけど 損なわれてない ものを探しに
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夕影
(
ゆふかげ
)
の 富士の白嶺に 風すさび 雪はけぶりとなつて 散るらむ
2
飛行機は 風の終わりを 追いかけて 春嵐来る 南へ入る
2
時経ちて ふと思ひ出し 速報に 並ぶ人等の 絶えなかりしを
0
髪の毛を切りし帰へさの 梅の花 何ごとなしに ただ咲けるのみ
0
いちにちの 所作の重さに 耐へかねて Zoetrope〈回転覗き絵〉の 夢想に耽り
1
戯れて 友を泣かせし 女児ありき 水面に透かす
大鷭
(
おおばん
)
の脚
0
いつの間に 剥いてしまったささくれと 痛むこころに ワセリンを塗り
1
チョコパイを 昼の代わりに食べた日の 桃色の陽に 溶ける夕暮れ
2
浜茄子
(
はまなす
)
の 花摘むとて 緑なす
昏
(
くら
)
い入江に ふかくさまよひ
2
だうでもいひ、 だうでもいひと 吐き捨てし ことば拾ひて また噛めるひび
2
修論を 書きゐし頃は 雨上がり 鎮守の
杜
(
もり
)
を
歩
(
あり
)
く日々かも
3
智恵子抄 無機質となり、元素となり、昇天しつる、高村の
女
(
ひと
)
。
1
壁紙の宇宙を見ては 息をするもの 恋しくて 加湿器を買い
0
ひとの世を 一から無限に 並べたて 充足可能を
質す
(
ただ
)
何某
0
或ひは唯 惑ひゆきたし
落葉松
(
からまつ
)
の林の香気 肺沁むひかり
1
何がそれ 大事なのかと 相問ひし 気圏に生くる ひとの哀しさ
0
夜八時 ボーナス・タイムの ランデヴー 立待月は 目覚めたばかり
0
珈琲を片手に 無限退却す
房
(
へや
)
に
常世
(
とこよ
)
の 雪は降りをり
0
褒められたし わけでもなかろと 慰めし
己
(
おれ
)
と酒精と 大寒の夜半
0
飛び交ひし 空疎な飛語に ガブリエルの如く
超現実
(
ハイパー・リアル
)
と 嘯いてみたし
0
倦みてやまぬ心は 空に翔べよとて 吹き抜けの空 ハンケチを投げ
1
身の程に 耐へ難くして “
Demian
(
デミアン
)
” を紐解き
Sinclair
(
シンクレエル
)
に為らむ
0
枝豆を食みて 聞きゐし 亡くなりぬひとの上に 水子五つあり
0
フリジアの地に建つ 蒸気の水門に ひとは頼めり 昔も今も
3
船寄せし 宮古の浦の
月山
(
がっさん
)
に 月かかるさま 見し宵ありし
1
をりふしに 古書街ゆきて 百円の 文庫もとむは 楽しかりけり
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振れ廻る こころの為に 捨てよとは その心馳を 無下にするのか
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火曜日の夜に 酔ひ伏す 人にふる
金木犀
(
キンモクセイ
)
のかほり 無下かな
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