Lime
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主に二つの海を行き来してます

心臓の悪魔の鏡を取り出せず これが大人ということにする
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書留のせいにしちゃってファサードを描く足音立春を過ぎ
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傘ささで 髪に積もったぼた雪を 融くに任せて 夜をゆくひと
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どちらかが風除けになる偏りがあっても並ぶ木々になりたい
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早すぎも遅すぎも駄目 アセトアルデヒドただ酔う頃合いがイイ
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重心を あらゆる場所に 置けなくて 薄い氷の 廊下は翳る
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夢オチの銃撃ショットは夢精の隠喩メタファかな ・・・性癖あげく、漱石枕流むりなこじつけ
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さんざめく 雲の波間に月出でて 貝の光が 街に降り立ち
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酔い歩く人等避けつつ ポケットのハンドタオルに その手を包み
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センチなJ-POPみたいに One more chanceいつだって, 探してる  い◯ばのタイカレー
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吾のみが不在でみんなのさいわいを 遠望すべし L’isle joyeuse喜びの島
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塗炭の夜 火燈す舟の行き交いに 寝ぼけまなこの月が沈みぬ
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独りゆゑ サイレンの音耳痛し 曇るコツプに 満たす生水
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落日に群青色の大いなる虚ろ目掛けて凧が舞いをり
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思い出す、今でも 会いたかった 会いたかった  愛痛かった YES
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古びたしおりを除け 林達夫の随筆essayを読む  嘆息しつつ
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暮れ方の風に 焚きしむ抹香と 勤しむ人のかげすがたかな
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電線と星が綴った五線譜に 静かな旋律メロディ つと指で撫で
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君と月と木星の距離を愛と定義せよ (ただし見かけとする)
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静寂と夜が醸した C6H6O3マルトール 司書に礼して 図書館を去り
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回送の電車と君は似てるから 車庫に入って みんなで眠ろ
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残業に呆けた頭でオリオンを仰いでへそのゴマなど探す
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南のうおの星フォーマルハウトが好きな子とのこととか全てシェアしないつもりで
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今年とて 第九を唄う 心では 小さな終焉doomを 迎えてはいる
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膝軋み 乾風に喉灼けようと 市民ランナー 実存に至る
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小春日の 葉敷き散らしたる 銀杏路に 警棒提げし 婦警歩哨す
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帰らざる 逍遥の日々、 南十字サザンクロス降誕祭クリスマス、Fremantleの夜
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玻璃杯bō li bēiの縁欠けたりし 何をかを語る所以なく ぬるむ水割り
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玄関の玻璃戸の 向こうを見つめてし 飴玉を噛む 少女老い易し
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最終の電車に駆ける耳元にロンドンデリーの唄しめやかに
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