Lime
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288

主に二つの海を行き来してます

棄てられし瓶が割らるる音を聴き 四月の風邪に喉を灼かれて
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アンテナと 丸いタンクで夢見てた MOTHER2、ネス、スカイウォーカー
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三輌目 英語繰り出す をとこらの ひとりずつ去り やがてしづまる
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あゝ此処に 砂州があつたと 夜桜の河のほとりに 心を託し
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C’est la vieとは言い難くあり 缶ゴミの出し遅れとか 至らなさとか
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ステップを踏み違えては叱られし 自負無かりせば 心易くも
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道ばたで煙草を吸うな フェティッシュで人を殴るな 猫が見てるぞ
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春宵のみちに男女の睦みつつ烏龍ハイを煽りぬるかな
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腐ってる大人でごめん、嬢ちゃんの推CPカプはしょくカレなのですか?
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我が家にも春来にけらし南天の鉢の苔にもさくの立つらむ
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しづかなる堤のふちに 悲しみをうたふ波寄す あたらしき船
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がりがりと歯ブラシの軸を噛み砕く そんな夢でも 心晴れまじ
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旅の果て たましいふたつ ゆき逢はむ 嘉内に宛てた 歌のかずかず
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おぼつかぬ暮らしに融けて冷蔵庫の圧縮機コンプレッサの音は生きてる
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悲惨さを子どもの死とかで描写して消費している感情産業エモエコノミー
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真夜中のかたちなぞつて見えぬ月の杯で嗜む海底捞针
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お出かけの機を失つた日曜の午後に傾くstill water
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絶望に人びと喘ぐ映画観てエンドルフィンを分泌する君
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歓楽の街に行き交ふ人々の首をめがけて粉雪が降り
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彼の国の船にやあらむ 小樽港 タール塗りたる 鋼鉄の牛
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無下にしたいろいろなものが流れ着く岸でシリウス墜ちるの待ってる
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珈琲の缶の底だに掻くように 余裕のなくて 寄せ集めの朝
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妄想のフロンティア江戸の照姫とワンチャンあっていいじゃないすか
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良い子にはなれそうもなく 狭い戸に頭と脛をぶつけつづけて
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いい年で何が愉快で騒ぐのか 図説にあったBoschボスの絵みたいに
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青素ジシアンと二原子炭素で何となくすいかの匂いしそうな彗星
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物憂へば斯かる氷雨に濡れそぼち傘開く手を暫しとどめむ
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帰路リッター足りず補給すキクマサの銀のカップで女子力糖衣
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鉱泉の熱に灼かれて解くゆきを送り出してし立春の月
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延伸の終わりが来ない薄炭の街をそれでも鉄路ひたゆく
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