Lime
21
25
投稿数
288

主に二つの海を行き来してます

天国は遠いものかと 舞い落ちる 黄金色した 木の葉の気持ち
6
冬鴨の眼は象嵌で 西比利亜シベリヤを追われ来たのち またすぐ戻る
2
あさまやまかかる朝日は霜枯れし花を飛天の光輪と為す
2
悔恨に胸みつるとき ひとさしの 煙草に灼けし 哀したましい
2
水平の北斗は創造主カミの疑問符で 存否の虚を突きつけるのか
3
想像の我を縊って埋めたとて 糧はうまくてささくれ痛い
1
世に出むと英語習へど MCの鼻のかかった発話が憎し
0
カーテンの裏に 夜な夜な降り立てし ひとの匂ひは 金木犀で
3
うつし世の先に見透かす薄野すすきので 影なき月を此処に宿して
2
わかりみが深い掲示に立ちどまり マタイ六章第三十四節
1
祈りなど 理解わかりもせねど 聖母子の つめたい御手に ぬかを衝きたし
2
並び立つ カーブミラーの 右に死を 左に猫の 影をもとめて
2
寄せて引く 潮は指先すり抜けて 寝息に遠い海鳴りを識り
1
都会では 利回りのため 三陸では 暮らしのために 溶かすセメント
2
けふもまた 薄暮の名残を抱き寄せる En la orilla del mundoこんな世界の端つこ にて
2
真盛りの 夏の日差しに 吹寄せる エンジュの花は 蛍光の雪
0
伝えたい 言葉はあるけど 角が立ち 麦茶はいつでも 夕暮れの色
10
出た賽の目に泣けよとて 「正しさ」の 正統性レジテマシーの 影縫いながら
1
Brute-force attack総当たり攻撃 夜道で スネークマン・ショウの台詞を キメられなくて
0
擬宝珠ぎぼふしの 葉はあをあをし みづ色の 玉敷き散らし 七月は嘘
2
ソクラテス 以前も以後も無かりせば 自問の檻に 煩悶す 我
3
ふと思いだしては “I”アイのかたちだと みずから名づけた 古傷を読み
1
盛場に 若き男女のもつれるを たれか私に 嗤へと言へよ
2
大雨を 遺せし雲が 谷となす かはの小石は 星となるらむ
1
往来の 音に紛れて 密やかに くちぶえを吹く with コロナ生活ライフ
0
鉄骨を 剥き出すビルは 神殿で 不滅への意志を しろしめすのか
1
節約をせむと むね肉切り分けし 腕に静脈 浮きでたるかも
2
紺碧の地中海へと 君が背の le Nilニィルをなぞつて漕ぎ出ぬ いま
0
出社して 珈琲を淹れ いたづらに くるりと回って 落ちる長針
1
洋画の三分の一は 父神パッパとの 和解を描く 希ガス  偏見
2