Utakata
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尾作萩
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2023.12~
言葉が切り取る日常の発見と共感が好きで短歌始めました
温かい目で見守ってもらえるとありがたいです
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九時出勤 鳴らない夏の号砲にスイカ味グミ噛んでも無風
6
赤ペンが入った志望理由だけ詰めた鞄で膨らむ
不自由
(
じゆう
)
10
塩バニラアイス選んだ無意識下 海か、涙か、Nacl
6
幾夏
(
いくなつ
)
の標準偏差に差はあれど満点取れる気がした放課
9
好きだけど海の満ち欠け分からんし「リップ変えたの」君の
一声
(
いっせい
)
7
傷のあるカードは私を知っている 右を選んで逃した終電
8
一回は服の前後を間違える くらい肩透かしな恋だった
11
併泳魚
(
へいえいぎょ
)
みたいな湿度を連れくぐる マルイのウィンドウ マネキンは夏
8
また君に邪魔されたのよ、安眠を(
瞼
(
まぶた
)
のラメは光り続けて)
11
雨粒のひとつひとつが重なって
伝
(
つた
)
う一生 父の送迎
10
反時計回りで流れる水 捨てれぬ歯ブラシ見ないふりして、二本
10
厚き雲一つで逢瀬を案じたり ビルが
聳
(
そび
)
えど変わらぬ恋慕
5
髭剃りの音が告げてく明け方も悪くなかった わるくなかった
10
アルカリの土に生まれた不自由に気付かず逝ける君を妬まん
8
雨による傘と名の付く距離感が好きだったりする 恋に恋して
11
降る雨の接頭語である「あいにく」を外して撫でるカフェの存在
14
ザーザー しとしと 心の雨が降る音に擬音はなくて君は気づかぬ
8
五歳児の願い通じず人生の一画目なぞる雨の順延
11
踏切が閉まって夏が待ちぼうけ 沖縄だけにつく晴れマーク
8
おかえりと跳びはねてくる犬のよう
雨女
(
わたし
)
を歓迎するゲリラの子
11
アスファルト濃淡
露
(
あらわ
)
初夏となる防衛ラインで信号待つ君
5
夜中
(
いつ
)
見ても窓越しに人は歩み行く 華やかさより感じる上京
8
吊革に掴まる時の直角さみたいな返答
凸凹
(
でこぼこ
)
の愛
7
切れかけの点滅渡る利己主義も 無垢な瞳の前では きをつけ
9
初恋の当時はレモンの苦さだけ 今、過ぎてく日々が甘く美化する
8
天も身も地続きなのに暦だけ区切られ、六月 乾きを引き摺る
7
淀みないベルトコンベア出荷待ち みたいな朝のエスカレーター
13
液体は既に枯らして粒コーン 求めていない鋭さだけが
7
五分後のクリームソーダ 球面に収まる
青空
(
そら
)
と外側の雨
11
喧騒を折れた道先 駄菓子屋に足は止まれど跨げぬは大人
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