Utakata
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リンコ
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目に沁みる汗に残暑をぼやきつつ見上げた庭の柿はたわわに
9
アコーディオンとパリの街は似合いすぎる
Opéra
(
オペラ
)
に向かう地下鉄の中
8
うなだれる私に付いてくる私 日陰へ逃げる夕暮れの道
9
目を閉じて瞼に浮かぶ青い色 キミと見上げた今日の月かも
8
盆明けの暮れ窓から押し入る熱風に小さな秋を見つける夏風邪
5
ラジオから ヘビロテ聴いた「アンジェリーナ」ボリューム上げる
(
われ
)
私
J
K
なり
8
一人ではいたくなくて誘われた居酒屋の輪の中でも独り
12
「また盆に」中折れ帽子に手をかざし 門の緑に消えゆく背中
13
はじまりはこの手の中に采はあり 振ればその目を信じもきれず
6
始まった今年の夏の一
頁
(
ページ
)
雨上がりの朝耳を突く蝉
12
山をゆく今も昔もそこにある 風も芭蕉もこの
路
(
みち
)
をゆく
15
あまりにも口は多くを語りすぎ本当の心を置き去りにする
13
キミってさ、「快速」を待つ私の手 グッと握って「普通」に乗る人
8
変わりゆく心は誰にも責められぬ私が私を責めることも
12
薄ベール羽織る月が柔らかく照らす
(
しるべ
)
標
を飛行機はゆく
9
薬局でキレイな髪になりたくて選んだシャンプー髪きしむ
5
道端のアルストロメリアに手を掛けて花びらに見る母のそばかす
12
夜はまだ春の名残りの涼やかな風が揺らす風鈴短冊
12
ジョギングの
T
シャツ通る夏風は背を膨らませ遊んで出てゆく
14
ジョギングは難題思うと早やゴール 歌の文字数整わないまま
10
嫌いだよキミの言葉はうんざりだ だけどキミを愛しているんだ
4
はじまりはいつも私の気分次第 最後は坂を転げ落ちる
8
この曲はあなたと聴いたゲレンデで
10
年経っても降り止まぬ雪
11
月の夜 時間を忘れた白い蝶 揺らめく羽の眩しい輪郭
12
ひとつ席 左に座った窓の外 こでまり見えた
彼
(
あなた
)
の
視界
(
せかい
)
5
交れず離るることもできぬ月 地球を愛でて恨みながら
5
白む空 昇る朝陽に「待った」かけ アベリア揺れる朝帰りの路
3
あなたとは恋人だった 夫婦で家族で 最後は親友がいい
9
首都高が空へ突き出す秋の宵 このまま月へ
逸
(
はや
)
る右足
11
この曲をキミと聴いて黙り込んだ 酔い覚ましのコーヒーの後
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