リンコ
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投稿数
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飛び出した根っこは行き場を探しつつ 静かに蕾の眠りは続く
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泡だった黄色い小粒の花の香はいつものかどで秋も知らせる
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目を閉じた瞼に浮かぶ青い丸 キミと見上げた今日の月かも
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玄関の『ただいま』の声と紛れ込む 夕暮れの風は秋の気配
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キミが呼ぶ私の名前を聞きたくて 気付かぬ振りしてキミを待つ駅
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葉が芽吹き舞い散る花びら公園の 足元に咲くサクラは満開
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目に沁みる汗に残暑をぼやきつつ見上げた庭の柿はたわわに
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アコーディオンとパリの街は似合いすぎる Opéraオペラに向かう地下鉄の中
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うなだれる私に付いてくる私 日陰へ逃げる夕暮れの道
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盆明けの暮れ窓から押し入る熱風に小さな秋を見つける夏風邪
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ラジオから ヘビロテ聴いた「アンジェリーナ」ボリューム上げるわれJKなり
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一人ではいたくなくて誘われた居酒屋の輪の中でも独り
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「また盆に」中折れ帽子に手をかざし 門の緑に消えゆく背中
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はじまりはこの手の中に采はあり 振ればその目を信じもきれず
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始まった今年の夏の一ページ 雨上がりの朝耳を突く蝉
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山をゆく今も昔もそこにある 風も芭蕉もこのみちをゆく
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あまりにも口は多くを語りすぎ本当の心を置き去りにする
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キミってさ、「快速」を待つ私の手 グッと握って「普通」に乗る人
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変わりゆく心は誰にも責められぬ私が私を責めることも
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薄ベール羽織る月が柔らかく照らすしるべを飛行機はゆく
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薬局でキレイな髪になりたくて選んだシャンプー髪きしむ
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道端のアルストロメリアに手を掛けて花びらに見る母のそばかす
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夜はまだ春の名残りの涼やかな風が揺らす風鈴短冊
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ジョギングのTシャツ通る夏風は背を膨らませ遊んで出てゆく
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ジョギングは難題思うと早やゴール 歌の文字数整わないまま
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嫌いだよキミの言葉はうんざりだ だけどキミを愛しているんだ
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はじまりはいつも私の気分次第 最後は坂を転げ落ちる
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この曲はあなたと聴いたゲレンデで 10年経っても降り止まぬ雪
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月の夜 時間を忘れた白い蝶 揺らめく羽の眩しい輪郭
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ひとつ席 左に座った窓の外 こでまり見えたあなた視界せかい
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