Utakata
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リンコ
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私が言う あなたがそれに微笑めば千の言葉のシャワーにならまし
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気がつくと桜に戯る鳥だった 高架の電車は翼を得たり
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揺れる度 肩触れ合うほど側にいて 話す言葉を探す寂しさ
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知らぬ間に聞ゆる曲を口ずさみフェイントすらしてキミを想う
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太陽はケシゴムみたいに消していく昨日を汚した呪縛の言葉を
2
差しださぬあなたの右手が恨めしく離れて一人海辺を歩く
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手を入れた上着のポケットには紅きはずのカエデが茶に変わりぬる
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特別が普通になった二人でも恋は変わらず持続しますか?
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この雨は明日の晴れへと続いてる 遠い西の空を見ていた
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光りだす窓辺に雫が編む模様いつの間にか雨は止んでた
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色づく葉 朽ちていく葉を織り交ぜた燃ゆる命が秋を進める
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図書館でキミの生まれた日を知った 晴れ渡る空上弦の月
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片隅で止まったままの扇風機 積もった埃が冬を告げてた
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帰り道信号待ちで考える短歌のパーツで今日の
棘
(
とげ
)
抜く
5
「執着」は果てなき夢を見させたり破滅の道へ突き落としもする
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私の為にキミが始めたそのピアノ 奏でるしらべは行方知れず
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殴打する雨の雫に耐えかねて二十日目の世界諦めた薔薇
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違う道選んだはずの僕達は川を渡って橋を壊した
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「また明日」当たり前の今日の終わり 疑いだした新月の夜
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週末は楽園さまようイヴになりキミを愛して林檎を食べる
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通り雨に途切れる思考駆け出して 心の鉛はそこに置いてく
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世界一星が見えるテカポ村 星座は星の海に溺れる
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矛盾とは自然な欲の点と点 一つの身体を引き裂いていく
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ベランダの隅に剥がれた蝉の羽根 覗き込めない掃き出し窓下
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秋時雨 独り占めの公園は雫が連れ立つ黄金の舞
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松本の人影まばらな構内のピアノを二人で奏でた夜
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見上げればビル街泳ぐ金魚達にさらわれた星 交差点にて
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風が吹き洗濯物を揺らしてく二人の
T
シャツ肩を組んでる
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同じ朝同じ時間の電車待つ白い溜め息もう冬だった
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私は私と言う私こそ誰より人を意識していた
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