雪降られ しなる木の葉と 春の日を 待ち焦がれたり 小さな新芽
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坂道をのぼり終えつく溜息や流るる雲をしばし眺めん
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山茶花の花びら積もる坂道をのぼりつつ聞く鳥の囀り
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雨予報 草にも樹にもたっぷりと 春へといざなう恵みの雨となれ
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「風呂はいろ」1時間して入ってない スマホは触れるくせに動けず
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この白い紙には白い字で「白」と書いてあるってだれもが言うが
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本もまた断捨離しているわたしだが素敵な本棚見れば焦がれる
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ピーと鳴り炊飯ジャーを空けた後卵一個で地上の奇跡
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手のゆびと足のゆびとの関を切り 血のめぐりゆく冬の夜の風呂
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着信の 画面を伏せて 深呼吸 愛していると 逃げたいは、似る
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お父さんうるさいですと言われてもイビキなんぞをした覚えなし
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あしひきずる 罪なき鴨を ただ喰ひ 関心あると 動物愛護
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孫来るを指折りて待つ直前にインフル奪う 爺婆の糧
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目まぐるし 気温に翻弄 咲く梅も 半ばで止まり 蕾は固く
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めでたいな そのたび牛が 食われてく 網目に刻む 食物連鎖
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情景の言の葉の糸 見へぬ時 無理に探らず 無理に繋がず
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残業が 続く日多く 際立つは 苺の甘さ 人の温もり
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勤務中窓外に見るレアな野鳥メガネとマスクで興奮隠し
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いいことは ケシ粒のよう 悪いこと 大蛇のように 纏わりついて
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大病院 小児科に行く 少年は 知り合いだった お互い秘密
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平日の 眼科診療 行って見な 老人ばかり 亡霊のよう
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シベリアもコロネもふたつ幸せは銀のトングで掴み取るもの
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現実を 受け入れるより 酒を飲み 夢に焦がれて 一生終える
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人間は 喉元過ぎて 忘れ去り 痛い目に遭い 学ぶことなし
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もしかして 科学技術が 万能で 死をも克服 できると思う
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仏頭にさき傷あり境内けいだいの庭の日陰に斑雪はだれ残れり
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キリストは 医者が匙投げ 絶望の 淵に彷徨う 人を癒した
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唐揚げを頬張りながら来し方を悲愴な顔で思い詰めてる
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死ぬもんか 失明なんか するもんか 医者がキリスト 神様のよう
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この両目 30年も メス入れて もたせてきたど 先生達が
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