君はだれ目があった瞬間懐かしい夢の出来事でもどこかで会ってる
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ざぼん食い果汁みずうみ口中に。潤すは喉ばかりなりけり
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窓の日差しとエアコンの風 ハリボテみたいな春でテレビの桜予報見る
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氷雨降る 春は未だに 訪れじ 弥生一日 寒さ増したり
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大したね黒歴史なんかどうだろうインターネット秘密の中に
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ひと月もうたを誘いし梅の花 かおりをのこし風に舞いゆく
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美しき所作持て出さる茶を飲みて 集いは終わり弥生月来る
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ひっそりと イチゴ畑の女王が オーラを消して花を咲かせる  
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二月尽、五年日記の上下段に二十九日が離れて並ぶ
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死にたいと一回言えば一歩だけ前に進める都市の長閑さ
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夜更かしに 中毒性があるらしい 昨日も今日も 二時に三時に
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献血を したいと思う 心とは 裏腹にのむ服用制限 眠剤は罪強き眠剤
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想い出の長女猫あのこにそっと囁けり 生涯一いちニャンじゃなくてごめんね(大好きだよ)
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泡沫うたかたの短歌うたのカケラが ぷくぷくと 浮かんで消える午前二時かな
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なんか「ゆう」がゆるせなくて目に留まる 「ゆうて」は関西弁だから別
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習慣をつけるべきだが毎日は続けられない 努力が嫌い
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ドロドロと胡椒と骨が沈み込む豚骨スープの旨味の真髄
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薄暗く 色気、味気もない部屋を 逃げ棄てて行く 貴方の元へ
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あこがれていた生活のなかに今いるのではと さっき気づいた
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結婚を大谷君は許されてなぜ結弦君にアンチなのだろう
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百均で『うわっ』て人に名を呼ばれ「違います」って言っちゃう詐欺罪
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ぬかるんだ地面に足つけ歩くには転ばぬように見てて下さい
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常々に 恋し恋しづ 恋焦がれ 去り際貴女は なにを想うか
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天つ日と 波尾の光る 瀬戸内と 檸檬の香り 輝く夏かな
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青空の広がる午後の心地よく雫たつたつ確かに春の
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雨音に こころ落ちつく 宵の口 都会まちの地面も たまに休める
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こんな縄ほとんど紐じゃないですか止めてあげられたはずだったのに
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2月では まったくもって 冬ですが 3月、それは それはもう春
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閏日よ次会うときは今よりも 少し優しくなっているから
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宣伝を届けるために昼前の五分を校正時間に充てる
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