厚着したあなたが早く帰れるよう祈りを込めて受け取るティッシュ
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恋なんて みんないつかは泥塗れ  でも汚れてもなお宝石で
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頑張るときのナポリタンひとり頬張った それが愛だと思うから
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思わない 方に転がる 一輪車 クリもナナカマドも 花は真っ白
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君望む ひととなれたのか? 今はもう 知る由もなし 頬たたく風
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九州の醤油は甘いいっぱいの砂糖を入れるように彼女も
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忘れても パパに「抱っこ!」の休日は 君の中から消えはしないよ
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蒸せるほど暑い陽射しに焼かれつつテニスボ|ルを追うキミ想う
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面映い 寄せる想いと 離れてく 想いに唸る 潮の干満
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土手沿いの学校のプールは洗われて 少し早めに夏が来ている
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優しさで生きられるもんか腹の底 燃えてる憎悪が私の全てだ
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もう全部 私のせいって事にしよう 飢餓や戦争 天災さえも
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義父ちち宛に ちょっと地ビール奮発し 代わりに削る買い物ところを探す
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窓ガラス越しに見る最後の桜よりも早く散った青い春。
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新人のシフトは明日で真っ黒で 翼が生えたと御局は言う
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一輪のたんぽぽの花 そこに咲く 見ないでくれと 言わんばかりに
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ねことねこ 朝からひっつきむしさんで たまに何故だか どつきあってる
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コンビニに行って帰ってエレベータ 誰かとバッタリ 旦那だったわ(笑)
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生き損ねるそばから今は過去になり また次の今を生きればいいだけ
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時知らぬ高嶺の雪を移してや富士の裾野に咲ける卯の花
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放水の訓練励む消防団大会近し毎週お疲れ
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知らぬ間に抜け殻二つ 部屋の隅 落とし主がまだ家のどこかに
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うちのは 文句があらば 知らぬ間に トイレも吐瀉も 実力行使 
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いもは 紫野むらさきのにて香ぐはしき え言ひかかず標野しめのなりせば
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暗い部屋つぶった瞼のその裏に夏のしあわせ感じて寝たい
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逃げ込んだ泣く僕のこと見つめる目 壁をゆっくり這う蜘蛛の君
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じっとりと湿った水面飛ぶトンボ何か言いたげに見る複眼
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やかましい言葉のイメージ逆らって無言の言葉で溺れてく部屋
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言葉で殴ってくれるというのなら骨の痛みがわかる強さで
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朝イチの 水道に手を くぐらせる 清涼感に 夏日の予報
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