Utakata
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ういろう
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はじめまして。誰に書くともない日記のようなものです。どうぞご笑覧下さい。
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まばたきがシャッターならば今ごろは君の写真で埋まるアルバム
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同輩
(
ともがら
)
の秘めたる思い知りぬればいつもの顔も変わるものなり
9
夕立をその身に受くる少年の母は空見て案じ
居
(
ゐ
)
るらむ
13
幾百里
(
いくひゃくり
)
離れた街に君思う道
行
(
ゆ
)
く人に影重ねつつ
11
昼過ぎて夕来にけらし
白妙
(
しろたへ
)
の
衣
(
ころも
)
取り込む
婆
(
ばば
)
の
軽業
(
かるわざ
)
12
牧之原
(
まきのはら
)
にうちいでて見れば茶畑のみどりは今朝の露にぬれつつ
7
はこねぢを越ゆれど野には
霞
(
かすみ
)
たつ富士の
高嶺
(
たかね
)
を見るよしもがな―新幹線
7
人もなき
夜半
(
よわ
)
にも散るらむ桜花月と星とを証人として
13
散る花を吹く風よりも穏やかにその樹のもとで君は微笑む
8
いらないと言われるだろうと思うけど君にきれいな花をあげたい
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可愛らしい看護師さんが測るから献血したのに上がる血圧
8
おふくろの味をもとめて定食屋覗けばすでに男が二人
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見送りの母を抱きしむその細き胴に
廻
(
まわ
)
したわが手余りぬ
8
ほらここに君のためなら何だってしようと思う男が一人
8
将来にまだ夢見てる人たちが語らいながら道路を渡る
8
君のみた映画を一人で見に行った自分が少し嫌になる晩
8
あの夜の月をおもひて煙草のむ煙とべとべ君の街まで
7
寂しさを認められずにひとりきり闘っていた僕はバカだね
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眉下を剃りあげてくれるおばちゃんも床屋を出れば誰かの母で
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トニックを力一杯拭き上げる店主無口だいつもの床屋
6
里おりて街に来たれば初梅の雪に代はりて我を迎へる
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遠からず母となるらむ乙女たち友と連れ立ち軽やかに行く
9
カップルの居並ぶ街を歩く日は売れ残ったフライの気分
8
愛を説くバレンタインデーの日も通勤電車に一人揺られて
6
右腿
(
みぎもも
)
にスマホの重みの無い朝は何だか自由になった気がして
6
むばたまの緑に亜麻のみぐし変へ鹿島立つ日ぞつひに迫りぬ
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そのときはその時なりに怒ったり泣いたりしてたような気もする
9
「あの頃は楽しかった」というような言葉で過去を圧縮させて
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「制服の無い学校」の少年ら微妙に違う学ランを着る
7
綿ぼこり風に飛ばされ流されてふうわりふわりどこへ行くのか
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