Utakata
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ういろう
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はじめまして。誰に書くともない日記のようなものです。どうぞご笑覧下さい。
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将来にまだ夢見てる人たちが語らいながら道路を渡る
10
君のみた映画を一人で見に行った自分が少し嫌になる晩
9
あの夜の月をおもひて煙草のむ煙とべとべ君の街まで
8
寂しさを認められずにひとりきり闘っていた僕はバカだね
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眉下を剃りあげてくれるおばちゃんも床屋を出れば誰かの母で
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トニックを力一杯拭き上げる店主無口だいつもの床屋
7
里おりて街に来たれば初梅の雪に代はりて我を迎へる
13
遠からず母となるらむ乙女たち友と連れ立ち軽やかに行く
10
カップルの居並ぶ街を歩く日は売れ残ったフライの気分
9
愛を説くバレンタインデーの日も通勤電車に一人揺られて
7
右腿
(
みぎもも
)
にスマホの重みの無い朝は何だか自由になった気がして
7
むばたまの緑に亜麻のみぐし変へ鹿島立つ日ぞつひに迫りぬ
5
そのときはその時なりに怒ったり泣いたりしてたような気もする
10
「あの頃は楽しかった」というような言葉で過去を圧縮させて
10
「制服の無い学校」の少年ら微妙に違う学ランを着る
8
綿ぼこり風に飛ばされ流されてふうわりふわりどこへ行くのか
5
しょいこんだ荷物を全部うちやってどこか遠くの町へ行きたし
8
三日前に焼いた
鰯
(
いわし
)
の残り香が恨めしげなる我が
庵
(
いおり
)
かな
7
カーソルがまたたくだけのESは真っ白なのにお先真っ暗
7
浪費家の僕が京都に住んでたら何度飛ぶのか清水の寺
13
古着屋のコートに残るハンケチの折り目正しきアイロン寂し
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「よぐ来た」としわしわ顔で我を
撫
(
な
)
でし親戚一人また旅立ちぬ
14
名も知らぬ隣の人のエアコンが唸り立てたる大寒の夜
14
雪降りて白く広がる
芒野
(
すすきの
)
に昔の人の旅をしぞ思ふ
8
垂乳根
(
たらちね
)
のしわしわ顔のばあさんが赤子の声に振り向いて笑む
7
喜寿傘寿
(
きじゅさんじゅ
)
集まるお医者の待合で皆が一人の赤ン坊見る
16
戸を開けて張り手のような寒風に気合い入れらる朝八時半
8
この椅子に座ってこの窓眺めてた先輩今は何してますか?
8
すぐに既読つけるの何故か
面映
(
おもは
)
ゆく握ったままで開けぬスマホ
7
「行き止まり」そう看板は言うけれど隙間はあるさ通れるぐらいは
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