ういろう
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はじめまして。誰に書くともない日記のようなものです。どうぞご笑覧下さい。

散る花を吹く風よりも穏やかにその樹のもとで君は微笑む
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いらないと言われるだろうと思うけど君にきれいな花をあげたい
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可愛らしい看護師さんが測るから献血したのに上がる血圧
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おふくろの味をもとめて定食屋覗けばすでに男が二人
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見送りの母を抱きしむその細き胴にまわしたわが手余りぬ
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ほらここに君のためなら何だってしようと思う男が一人
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将来にまだ夢見てる人たちが語らいながら道路を渡る
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君のみた映画を一人で見に行った自分が少し嫌になる晩
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あの夜の月をおもひて煙草のむ煙とべとべ君の街まで
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寂しさを認められずにひとりきり闘っていた僕はバカだね
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眉下を剃りあげてくれるおばちゃんも床屋を出れば誰かの母で
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トニックを力一杯拭き上げる店主無口だいつもの床屋
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里おりて街に来たれば初梅の雪に代はりて我を迎へる
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遠からず母となるらむ乙女たち友と連れ立ち軽やかに行く
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カップルの居並ぶ街を歩く日は売れ残ったフライの気分
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愛を説くバレンタインデーの日も通勤電車に一人揺られて
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右腿みぎももにスマホの重みの無い朝は何だか自由になった気がして
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むばたまの緑に亜麻のみぐし変へ鹿島立つ日ぞつひに迫りぬ
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そのときはその時なりに怒ったり泣いたりしてたような気もする
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「あの頃は楽しかった」というような言葉で過去を圧縮させて
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「制服の無い学校」の少年ら微妙に違う学ランを着る 
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綿ぼこり風に飛ばされ流されてふうわりふわりどこへ行くのか
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しょいこんだ荷物を全部うちやってどこか遠くの町へ行きたし
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三日前に焼いたいわしの残り香が恨めしげなる我がいおりかな
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カーソルがまたたくだけのESは真っ白なのにお先真っ暗
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浪費家の僕が京都に住んでたら何度飛ぶのか清水の寺
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古着屋のコートに残るハンケチの折り目正しきアイロン寂し
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「よぐ来た」としわしわ顔で我をでし親戚一人また旅立ちぬ
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名も知らぬ隣の人のエアコンが唸り立てたる大寒の夜
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雪降りて白く広がる芒野すすきのに昔の人の旅をしぞ思ふ
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