ういろう
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はじめまして。誰に書くともない日記のようなものです。どうぞご笑覧下さい。

この椅子に座ってこの窓眺めてた先輩今は何してますか?
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すぐに既読つけるの何故か面映おもはゆく握ったままで開けぬスマホ
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「行き止まり」そう看板は言うけれど隙間はあるさ通れるぐらいは
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やなことは嫌でも目につくものだからせめて今夜は夢を見させて
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「また明日」その一言が嬉しくて帰りの坂を駆け上がって行く
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今日の日を塗り替えていく微笑みも君にとってはいつもの笑みだ
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信号の青に変わるが恨めしい君がとなりにいる夜だから
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ありました!届けた上に諸権利を放棄した人あなたに感謝
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うかつにも置き忘れてきた長財布どうかそのままそこにいてくれ
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願望とリスクをはかりにかけたまま今夜も僕は夢を見るのだ
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結露した窓から見える曇天どんてんに思い出すのは雪のふるさと
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言うべきか言わぬべきかと悩みおる我の後ろで時計は進む
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市電にて他人の会話盗み聞き幸せ吸い取るひるのごとくに
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門脇かどわきひいらぎの花ほころびて別れ近づく冬は来向かふ
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退屈な日々の合間に美しい瞬間ときがあるから明日も起きる
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曾祖母が夜なべでつくった半纏はんてんつくろいつくろい着続ける母
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軒端のきばにて一本ひともとへる芒穂すすきほの綿毛眩しき霜月の空
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夕暮れに家々の灯のともるころ風にながれてシロフォン聞こゆ
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望月をながむる君を垣間より見れば思ひのす夕べかな
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ひとりでも頑張っているぼくやきみを誰か見ているきっと見ている
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君は多分言いたいことがあるけれど口に出さないそんなタイプだ
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鼻水とよだれ垂らして我を見る幼子おさなごの目は清く澄みたり
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夜もふけて独り家路につく影を月は静かにそっと見守る
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我がこひぢ助けたまへと祈る夜かみなしづきの八幡さまに
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今さらに蝉のむくろの転がれり色づく紅葉もみじとくと見てゆけ
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打ち付けの篠突しのつく雨のあけぬれば鰯雲舞う茜さす空
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秋晴れに飛行機雲コントレイルのたなびけり見知らぬ人と同じ空見る
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白鳥の群がり居れるふるさとの田畑たはた懐かし瀬戸内の秋
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自転車に斧を振り上ぐ蟷螂とうろうよそこのけそこのけきたくはなし
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青年の我ら祭りを開き集う失われたもの取り返すがごと
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