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自身の肉を食らい いつか消えることを願う 悪癖
3
暴力の象徴たる母の手 今や温く我に寄り添い 媚びる
4
愛する母と心中未遂せし兄達を羨む 埒外の我
3
青春を味わう前に噛み砕く血の味の方が似合っている
2
「愛してほしい」ふと口ずさむ回数が減って 婆あになった己を知る
5
どこかに行きたい 家に帰りたい でもここが家なんだ どこにも行けはしないんだ
3
シーグラスの如き母 棘も濁りも 我が傷へと捨て果てつ
3
私にも可愛い頃があったわけ 怪獣だってきっとそうだよ
4
お礼受け 鵜呑みの自分振り返り 重ねた親切 穴入る道化
2
午後からは桜見ながら散歩してゆるり歩けば雨も降りだす
9
生きている夜夜夜は一人ハグするしかなくて 人との散歩
5
遠い目の先の幼子なにおもふ我に子どもの年聞く人の
6
日直の仕事 黒板消し・花の水やり・天使に揚げパン配る
7
お
社
(
やしろ
)
の大き桜を独り占め ちょいと田舎の贅沢な春
25
会いたいよ(お花見)来れたらおいでと 涙出る ほんとは楽しく飲み食いしたい
16
花たちが咲かなくなった日本にて デジャヴのように君と会いたい
2
時にふと昔のことを思い出すあれはあれにてあれ以外なし
4
パフェ食べる鬢付け油の浴衣衆 深刻顔の友の向こうに/『ファミレス』
6
バス停の桜花は誇り高き顔 いつかお前もみなに踏まれる
4
深夜二時、低く唸る冷蔵庫。鼓動が共鳴して平行線。
8
晩ごはん カレーはできた それなのに ライスがなくて 途方にくれる
12
リビングでくつろぐ姿 マナティも 岩場で休み見間違われた/人魚
4
新品の手提げに刺し子 六年後ボロボロなるかと 一針一針
6
吐く息が 吸う息よりも長くって いったい何を吐いてんだろな
16
深海の静けさに沈められたなら 私はきっと生きていけるのに
6
引き摺られコンポの
C
D
オンすれば「私は今日まで生きてみました」
9
ホタルイカ 波打ち際に 集まりて 青白い光に 染まる浜
21
黄金比崩れゆく
現代
(
いま
)
に嘆いてるわたしの声は小箱から流れて
5
手遅れとただ諦めてしまうより それでもこれが始まりとして
8
叩かれるだけじゃなかった 母の手はときに日陰をつくってくれた
8
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