何気なく頭に置かれた掌の温度が足先まで伝わって
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微睡みの瞼の中に音のない線香花火遠い星の死
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十年の刑期を終えて明日こそは ゴールド免許に更新叶う
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青森の田舎道にて鼠捕り ゴールド喪い十年が過ぎ
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LLがぴったりだった肥満体 12キロ痩せMでもイケる
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永井荷風、時代のずれにしのびたる その生きようを模範とせんか
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残照をただ見ておりし憐憫の三億分の一の生命
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人いきれ抜け出し座る並木道緑と鳥のさえずいと
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朝起きてきみとわれのどの痛み感ず同時すぎて顔を見合わせる
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音信を返してくれとも思わない 何も言わない君が便りだ 
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遠くを歩いてる二人の影が「完」に見えた あとは余白
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行き道の足もと二度見 甲虫みたいな茶色カマキリの鎌
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美しきガレージありて素晴らしき2台の車他人ひと様の城
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ひとり舞ふほかにすべなしもろびとの大縄跳びの埒外なれば
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今日は無理 あしたもきっと同じこと 我にも君にも時は過ぐのに
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液晶の薄いガラスが映し出すスウェットの彼はぼくだったかも
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気ぶせりな客人独り打ち震えこの世の様に困惑しつつ
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ある事も忘れていたのに要ると言う夫には訊かずに黙って捨てる
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かなしいとき ねこは おくちをギュッとする ちいさくまるまったりも するのよ
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ロキソニンまるで効かない激痛に悩まされつつ歯科へ通院/地獄
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そりゃそうだあんなに素敵な人だもの見る目があった自分偉い/今日の失恋歌②
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夕食分も昼を食べのめり込む映画 深夜一杯のミルク
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シングルの母と告げられ「やったー!」と思うが恋人いて轟沈/今日の失恋歌①
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熊鈴が近づいてくる中山道 すれ違い際の挨拶は「Hello」
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ヒヨドリの散らす柿の葉ハラハラと色づく実り我が物顔に
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きどあいらく喜怒哀楽 ちま猫ちゃんは「喜」と「楽」かな たまに「哀よりの寂」はあるかも(あまえんぼだから)
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日中は 季節の歩みがゆっくりで 宇治行きコーデ決められずいる
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丁寧に 整理されたる 引き出しに 母の笑顔も 畳まれており
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ひと息に十一月並みと冷える日のスープの味付け迷いに迷う
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孫の手を懐に入れ温めた父の思いが我に繋がる
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