音楽と食と睡眠、あとは君 生活の周回軌道上
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笑うたび 仮面の裏が 軋みだす 僕という名の 人形ひとがた
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人の情 わからぬままに 怯えてる 鬼の子のごと 陰に潜めり
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笑い声 仮面の奥に 牙を見て 人のぬくもり 信じられぬよ
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曇天の夏の涼風 駆け回る子らの 土曜の午前の公園
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またいつか小川のそばで暮らせたら、すべてのものに住処をつくる
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残したい 目に触れずとも あの時の 心の声と 思いをせめて
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こぼれおつ ひとつふたえだ かすみそう 二軍のびんで 銀河のかけらと \替えた供えばなは台所に降格
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人はみな百廿五まで生存可 母校の創始者のたまわりしとぞ
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白寿まで達者ならむや鰻重を 米寿の母がぺろりと平らげ
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どこよりも私を育ててくれた町どうもありがとうそしてさよなら
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浅はかな須弥に住まうを打ちりて深き淵より這い出づるうた
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子曰く「みんなちがつてみんないいけど時計は同じ方がいい」
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歯ブラシを三種で対抗でも虫歯このシェーグレン地味に厄介/二本治療へ麻酔・眼科は○
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買い出し・2 終えてデイリーヤマザキの ジャスミンティーと月餅を食む(まだ3とか4とかある🥵
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人工の風なき朝の清しさよ 夢うつつなり 「いいわね」の声
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凡人は陳腐を好めど子規ほととぎす 鳴いて血吐くはおよそ人なり
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母からの 電話で向かう 葬儀場 知らない人の 通夜に顔出す
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石鹸のあわ黒くなりし小さきて井戸より出づるスイカの赤さよ
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猛暑との 根比べの日 休戦か 涼風の朝 ホッとひと息
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猛暑なる金沢出張帰りきて(へとへと) 千葉は涼しやほっと一息
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コメントを消す土曜日の朝早く小さな罪がこんなにたくさん
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ありがたや老母のおごりで鰻喰ふ 子と嫁と孫ぶらさがりをる
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私だけ振り回されて気に食わない 天動説を信じたくなる
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夏陽射す草むらの中昼顔の淡紅優し風にゆれつつ
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晴れだって泣きたいときはあるだろう 干すハンカチはきみにあげよう/天気雨
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不器用なわたしの耳が選べない 風 救急車 いぬ きみの声
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猛暑たる日々乗り越へし褒美かな 曇天の夜風の涼しさよ
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側溝で見えなくなった笹舟が海までたどり着きますように
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エアコンも無き老夫婦ひっそりと 熱中症で死す残酷さ
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