虫刺され予防にと塗るミスト剤必ずむせる肺に悪そう
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つゆざむに︵26℃ 笑︶ 白菜とうふとにくいれて おなべもどきを 作ってたべる
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ひだりての中指にはめるカットバン 来世は君との指輪をここに
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夕立の雲の晴れゆく山端やまのはに入日を受けてかける白鷺
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葛城の久米の岩橋絶えしかど虹こそかかれ夕立のあと
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暑さゆえ「認知に非ず」と嘘ぶいて小さきメモ帳またさがしてる
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初蝉の声に包まれ空仰ぐ 私の夏がいよいよ始まる
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日常から足を浮かせてぶらぶらと心地よきかな土曜の夕方
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弱き足ノルディックポール頼りに仲間と歩く山の辺の道
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鳥が鳴く理由も知らずに癒されて 人の言葉に怯懦になるの
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嘘一つ 重ねるごとに 壊れてく 己は誰ぞ 答えられずに
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ざわめき 物音 スピーカーのホワイトノイズ 音の重さ識る
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実家の鍵 片手に収まる四星球スーシンチュウ・キーホルダーは 我に似合ってる
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ワクワクの予感が 僕を包んでる ドラゴンボールの悟空みたいだな(笑)
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ゆるやかに 幹を傾げた木々ながめ 吹きゆく風の旅先を知る
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ゆるやかに帰宅モードの午後三時 お囃子軽やか 休出なれど
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なんとなく 三十一文字みそひともじを 始めるも 暗い物しか 詠めずに嘆く
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オレンジのソルベみたいに零れ落ち 溶けない声と凌霄花ノウゼンカズラ
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まりちゃんはこの頃トイレよくはずすどんな姿勢で垂れているやら/猫のまりちゃん
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吹き消せばくらやみのなか手さぐりにさがしもとむるやはらかきもの
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前ならえ皆でやっても皆ちがう腕の長さも指の長さも
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虚無感に襲われておりフルセットでデュースの末に負けたみたいな
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ぽけーーと 駅前様子を 眺めてた バイトの君が 少し笑った
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旅準備 シャツにパンツに ズボンたち 出会いに心 胸躍らせて
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音楽と食と睡眠、あとは君 生活の周回軌道上
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笑うたび 仮面の裏が 軋みだす 僕という名の 人形ひとがた
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人の情 わからぬままに 怯えてる 鬼の子のごと 陰に潜めり
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笑い声 仮面の奥に 牙を見て 人のぬくもり 信じられぬよ
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曇天の夏の涼風 駆け回る子らの 土曜の午前の公園
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またいつか小川のそばで暮らせたら、すべてのものに住処をつくる
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