振り返る 君の残像 抱きしめて 戻れぬ夜の 長さを数える
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「またね」から 数歩で欠けてく幸福を 埋める術なく 家の鍵振る
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ありがとう 「でも危ないよ!椅子の上」 お転婆の母 まだまだ元気   
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並木道 新緑いちょう 朝帰り 水がほしいな俺も胃腸に
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ながいことやってしまった『いいひと』のあくぬきするや竜泉寺の湯
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信号が青と気付けど膝痛でダッシュ出来ない吾は老人おいびと
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嬉しいなぁ 週休5日も 初めだけ やっぱりそうか必要ない俺
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無理をした 夢のマイホームに 壁を這う 血管のごとき 不気味なひびが
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頭鳴る 波打つ痛みに 耐えかねて バファリンだけに 救いを求め
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鳴き声と名前の答え合わせつつ野鳥の声のユーチューブ聴く
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「順繰りや」祖母の口ぐせ思い出す人も季節も巡りてめぐる
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ダイサギよ ドブほとりで 何を見て 何を思うか 春雨の中
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献血に行った先輩の金言「喜び勇んで血を捧げよう!」
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本州の桜に浮かれる人々を視界に入れることなどもなく
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にぎわいを終えし桜のトンネルの若葉確かめ君と道行き
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コンビニの 跡地にできし 家族葬 高齢化なる 我が家近く四軒
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木影咲くハナニラ魅入られようとも当の花には肥えにもならず
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締め付けの酷い頭にドロップキック これって感電じゃないんですか?
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庭先に 鳩訪れて クルポッポ 幸先よろし そんな気がする
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桜舞う 引いては寄せる 薄墨の 夜風身に沁み 遠き古里 重なりぬ
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弾よりも速き我らのエイトマン光を越ゆる武器なき頃は
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まだ推すか 身も金も灰 積もれども いのち焦がすを きるとぞ呼ぶ
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多人種の 飛ぶ脳空か 都に密す 高きビル裂く 未知「道」が消す過去
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月も無き闇夜にひとつ声ぞする寝言云ふらし人めくうぐいす
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君のせい 続けてしまう砂時計ひっくり返してピラミッド
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今日のことあれやこれやと聞いてやるただそれだけでよかったと知る
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ライブにて推し活す如 いっせいに陽を見て開く 酢漿草カタバミの花
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品性を 損なう歌を 読まぬ君 一粒胤の 御子の居るらし
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仕留めたる 鼠をくわえ 見せにくる 健気な猫と 共にありし日
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荒草(あらくさ)を 少し引き抜き 花清き 馬酔木を供ふ 父母の奥津城
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