コロナ禍に 生を受けたる 蝉時雨 いま盛りなり 我ここに立つ
10
暑いなと 父の声して 遺影見る 盆は来週 馬もないのに
35
目覚めれば 羽根を回して 風を生む 鏡にうつる 我、扇風機
3
意地悪な 人の意地悪を 意地悪と 思わないのが 逆に意地悪
11
採れたての トマトと胡瓜 塩を振り カレーに添えて 暑さ乗り切る
30
古い椅子小さなボール置いてみて身体と頁手繰り寄せたる
4
娘たち 朝からうるさい 夏休み 今となっては 夢の中の夢
9
見切り棚 中国産の松茸が 買える値段で干乾びてゐる
15
たかが咳と君、されど咳と私 私は君の、死ぬのが怖い
3
愛される夢を見た もういない君 夢は夕暮れ 泣いた朝方
5
冷房が君をつめたくするならば 添い寝したくと言えぬひぐらし
9
ネックレス 何が欲しいと たずねられ 着いたその場所 ドン・キホーテ!!
4
夏ですよ?クローゼットを開くたび向日葵のシャツがささやいている
7
ゆっくりと手を振るようにゴンドラは動く再び夢で会いましょう
6
病みてなお 思い返せば あの頃は 失うことさえ 知らず幸せ
4
AIとアンドロイドとロボットが ごはんの話をしていたらいい
7
ひぐらしの悲しき唄も静まりて涙ぬぐえば宵の明星
12
今日の日を予感のままに歩みゆくカーブミラーに陽落つるまで
14
君の手の その温もりを 僕の手に 繋ぎませんか ふたりの気持ち
5
ビル街に 風が来たぞと 胸弾む なのにモワッと もう勘弁!
4
家族五人 大笑いする盆休み 都市を繋げて カルカソンヌで
10
遠雷のまま日を送り 昼の月見草 こうべを垂れて総出の雨乞い
18
今日の昼 回転寿司で好きなだけ食べて良かれど八皿までよ
5
小説が意外とハードボイルドで怖い顔して読んでたみたい
25
夏休み 鏡を見たら 球体が なんだこれはと 焦り出してく
4
黙祷を捧ぐ しづかなる一分 読経の如く 蝉時雨の/長崎原爆忌
27
荷解きや旅路の興は薄らげどその中はまだ異郷のかおり
4
やっと勝つ 結果だけ知る意気地なし 何をか言わん 〈推し〉の端くれ/ドジャース連敗脱出
10
自転車を 漕ぐ背後より 音もなく プリウス現れ 思わず「わ」っと
5
ショキショキとスタイリストは髪を切る鏡の中で目を合わせつつ
5