片足を あげて孔雀の 凜と立つ 一鳳(いっぽう )の図は 薔薇をあしらう /森一鳳筆孔雀図
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ぼんやりと空に浮かぶは淡色の吹きゆく春の夢にみた雲
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戦場で ピアフに耳を 澄ます間に 鈍色の空に 大地がきしむ「プライベート・ライアン」
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持たぬわれ飢えもありやとよぎるなり済民の世の空蝉なれば
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先輩の 人形みたいな その瞳 丁寧にくり抜き喰らいたくなる
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鳥や虫 受粉者のため咲いてるが 勝手にめでる ヒトが疎まし
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AIが 決して言わない一言は 「またその話!」 だから好きだな
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起きたらば ベッドの上に ぼーるさん ちま猫ちゃんが あしょんで遊んでいたの
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池掃除おこぼれなんて思うのか間近まぢか見守るカラスは二羽なり
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僕のことあなたはきっと忘れてる虚ろな瞳透明な空
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石ころは 転がりやがて 丸くなる そんなわたしに なりたくなくて
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いくつもの 空をくぐりて 咲く花に 身悶えるよな 手の中の種
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買ってきてと頼んだものはなにもかも忘れてカヌレ買ってきてくれた
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ひとつだけ 赤きアネモネ 風に揺れ 菜種に染まる朝の庭先
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「Watch me if you can.」と呟いた 透明人間みたいなおれだ
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死の層になお降り積もるかげろうに 絡め取られて堕ちてく地獄
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蒼天に奇っ怪なる構造物並び 発電騙り宇宙と交信するや
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ランドセル揃う足並み風光り横断歩道にタンポポは咲く
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川辺りに 無造作に咲くハルジオン 白き花びら 風に揺らせて
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どこの猫 庭に佇み マーキング? 長閑なるかな この住宅地
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スズランと ドウダンの白き鈴なりが 我に教えし 群れという
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覗き込む 瞳のままの イヌフグリ 笑ってる私 泣いてる私
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たまたまに被るテーマのおもしろき誰かと誰かのコラボレーション
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ピンク帽かぶ赤子あかご電車中でんしゃなか母に抱かれ春の花束
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備蓄品 ガサゴソしてる 猫たちに  娘の名前で 声荒げてた
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つがい鴨 仲睦まじく 微笑まし 南風吹き 薄氷崩れ 北へ去りゆくや
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「暑いですね」 卯月と思えぬ挨拶交わし 額の汗拭き庭の草刈る
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人知れず初冬に開花 暖春にいだかれ実りはじむ 枇杷の木
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目覚めたら 夢だったとか 無きにしも 非ずなんて ある訳もなく
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高架橋リフレインする貨物列車 ガタン、ゴトン 私は消えて
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