トラツグミ
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きみが雨にとけて消えてゆかないようピンクの傘を差しに行くから/『親友』
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永い時銀雪おおうわが街がきみが来てから花ばかり降る/『親友』
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焼け焦げた花も柘榴の傷口も微睡む波に さらわれ とけて
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たいくつな夜は窓辺でこぐま座と金平糖をころがし遊ぶ
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耀くこと疲れた君を天鵞絨ビロード寝台ベッドと柔い夜で包んで/『宝石箱』
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紅玉の指輪今宵もオルゴールの音色に揺蕩いながら眠る/『宝石箱』
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ぼくの巻鍵ねじを巻いてくれていたきみがただの鉄塊となって一年/『人形』
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生まれる時ゼンマイ巻鍵ねじを失くした者 それを〝人間〟と呼ぶんだって/『人形』
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