街角の雑踏の中の待ち合わせ やっと見つけて笑顔の交差
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それぞれに形の違う落葉たち生まれた木々の所縁ゆかりを誇る
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雨が降る雷光る外を見て思い出すのは定番ホラゲ
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我が気持ち誰もが皆と詠んだ朝 そっと削除す自意識恥ずかし
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真夏日に月見と付いた食べ物を食べながら待つ秋の訪れ
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夜のあけてなほも鳴きをる虫どちよ 鳥っこたちに気をつけなされ
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人生で一度しかない記念の日恩師に見せる最後の勇姿
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「大の里」華々しき優勝で地獄の責め苦の能登の地ふるさと灯す
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推していた心優しき選手のアットホームな引退試合
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この雨は季節が変わると告げている晴れるのを待つ秋の訪れ
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雨の日は外に出ないでおとなしく休んでおけと天が告ぐのだ
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雨降ると憧れている先生を思い出すから少し楽しい
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カメムシの大軍おしよせ泣く農家「二十世紀」も涙あふるる 
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このあした風は涼しくなったけど 気はゆるめずに夏さがり待つ
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船乗りが壊血病予防にと唐辛子を港々へひろめたるらし
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秋彼岸 墓前に供えし ぼた餅は 母の好物 笑顔が浮かぶ
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窓を開け 空気かわった 曇り空 今朝の炊事は 水が冷たいひゃっこい
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甦る 君と巡りし 奥能登の 海を見下ろす 千枚棚田
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奥能登の 再び起こりし 災害に 友の安否を 確かめ安堵
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一枚の写真の中の微笑みに共に過ごした時間が止まる
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出目金がこちらを向いて欠伸あくびする何だかちょっと腹が立つなり
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秋彼岸 墓参へ向かふ午前四時 父母弔へる朝思ひ出し
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ひとたびも落つる一葉は ふたたびは帰ることなき もとの葉むらに
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窓ひとつ隔て向こうは夜の庭 リリリと高く鳴る夜想曲ノクターン
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系統の枝をいろどる末の葉に 幾千劫の隔てをぞ知る
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ひさびさにキミと手つなぎ帰り道 ラーメン屋さんの帰りだけれど
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目はスマホ 手は私の胸へ伸びる君の中で引き裂かれる自我
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眠気ってなんだったっけ、と思う夜 たまにあるよね 疲れてるのに
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はしやすめみたいな歌もよいもので なにはともあれ三十一文字みそひともんじ
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生きたくてガチャを回したあの日から増えてく 生きるためのホゲータ
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