情報とものと自由の牢獄が侵食尽くす人間ひとの尊さ
8
友達がみんなスイミング通っても「必要ない」と君は言い切る
7
雨やんでほのかに見ゆる夕焼けの彼方は浄土彼岸会の空
13
ふるさとを口にし力士強くなり 越えていかんと伝ふ能登へと (祝優勝 大の里さん) 
14
夕暮れの薄墨色のひとときに 月とまちがふ夕顔の白
12
砂の山指で掘ったら出てきたよジャックナイフは誰が埋めたか
7
縁あって 大の里の祝賀会 これから行くのさ筑波の街へ
15
我知らぬ新しき街次々と エクスプレスは夕闇進む
9
暮れなずむ筑波の山をビルの間に エクスプレスは常陸の国へ(初めて乗った)
9
こんな身でおめおめ生きて済みません死して屍拾う者なく
10
老い先の暮らしどうなる憂鬱で行けばわかるさ逝って終わりよ
13
普通に生きてりゃよいものを 想像求めて 遥か彼方へ
4
喜びは 懐かしさとも 混じり合い 再会にして 最期の別れ
5
ステロイド 口から吸えば 咳は消え 鼻から吸えば 洟も止まりて
3
向う脛 机の角に 打ち付けて 緑内障を 恨み続ける
4
病室の窓をあけて曇天の涼あきかぜ風ふく彼岸が来たり
13
ちま猫ちゃん きょうもげんきに はちり走りまわる おかあちゃんいて にぎやかにゃんこ
15
行くなとは言うが気になるごうごうと鳴る川見れば荒ぶるうねり
19
繰り返す自分が嫌になることも自分を知らないよりはマシかな
18
確かめて何も知らない抱き締めて私の事を見つめ合いたい
4
買い物に出たいが雨で冠水の道いかにして、回避できるや
11
虫の声喧しすぎて防災の無線聞こえぬ大事なことか
12
ひんやりと水道水に秋は来ぬ 急ぎ足にて帳尻合わせ
18
くるくると表情変わる幼子の お天気予報は難しくって
18
どんなにか君に捧げる愛してる永遠なんてだけど欲しくて
4
もし僕が久石譲なら このカオスも音に変えられるだろうか
5
珈琲をホットかアイスか迷ってるホットの豆はないんだけれども
9
置く露の消ぬべきものと知りながらなほなつかしき鬢のほつれ毛
8
お前もう 高校生だろ ザリガニを 釣りに行くなよ 俺を誘うな
10
生まれたて三ヶ月めの姪っこの お尻しっかりしててびっくり
5