母の手で植栽されし裏庭に 「ムラサキシキブ」の玉がこぼれる
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騙された暑さ寒さも彼岸まで彼岸過ぎても予想は暑そう
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zoomとか lineとかいう 未来から 来たみたいな どこでもドア~
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かたぶきて 凉風すずかぜたてばむしの あはれに聞こゆ秋のゆふさり
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金魚には金魚の理由のありたるか 絢爛豪華恥ずかしげなり
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幼子の金魚すくいの手もヒレも 同じリズムで動きを止めず
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雨も陽も共に天の恵みなれば良き塩梅にと願う昨今
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ちりちりと光の粒が舞う窓辺 まつげの揺らぎばかり見ていた
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温暖化異常気象のこの秋にコロナ陽性これもありかも
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さっきから 何回も スロー再生で お前が 笑った瞬間 観てる
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憶えてる おゆうぎ会で 王子様 だったろ 俺の 初恋だから
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海沿いにひとり揺蕩う徒跣かちはだし 君を含んだ波が当たって
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40円のゴーヤ嬉しくて振り回し(振り回すな(笑))ただいまわがら かじらないでね
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スタバにて突っ伏して寝ていつまでも動かぬ彼女心配なりし
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独りだけ涙止まらず震えては空へと祈る君に会いたい
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「接吻」のような結婚がしたかった 描ききれずに置いた油絵
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言ひかけたそのくちびるをくちびるでふさげば夜はすみれのにほひ
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死ぬのかなぁ?誰も知らずにもう一度あなたに会いに行きたかったな
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文字通り般若のような般若川 壊れた街を更に壊すか
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悪魔とて躊躇うほどの無慈悲おおあめなり 頑張れなどととても言えない
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能登の人 流す涙も涸れ果てる 悪鬼のような自然の無慈悲
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いつ降るか 分からないから 諦めた 負けずに干すわ 乾くまで干す
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太っても痩せてもいないはずなのに母はわかるか吾の不調を
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天気雨 油断大敵 音もなく 洗濯物が 二度も惨敗
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玄関に 脱ぎ散らかした スリッパを 見ても笑った 昔懐かし
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名画座でリバイバル観るあの映画むかし並んで座っていたね
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惚れたのはめちゃくちゃ綺麗でもなくてけれど僕には天女に見えた
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眠っておくれよ 僕のそばで 羊雲を枕にするくらいなら
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休日になすべきこともなくゴロ寝うかぶ言葉を三十一みそひとに編む
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忘れたい忘れたくない落ち着かず 女心と秋の空なり
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